神戸ルミナリエ そのかくも長き行列 [あらゆる祭りを楽しもう!]

   

冬の空気がしんと冷えてくると、各地で盛んに行われるイルミネーション。
神戸ルミナリエはその規模の大きさから大変有名だ。年末の光の芸術ということで、クリスマスイベントと思ってしまいそうだが、実際は阪神・淡路大震災犠牲者の追悼と、都市の復興・再生への夢と希望を込めて、大震災の起こった1995年12月から毎年行われるイルミネーションイベントである。

その荘厳にして華麗なイルミネーションは祭りと言ってはいけないのかもしれないが、祈りと想いの込められた季節の催しということで、今回はこちらをご紹介させていただきたい。

text by 和田 朗

ルミナリエを見に行こうと、公式ホームページを見て驚いた。来場者数が土日になると、一日で50万人越え。ご、ご、ご、ごじゅうまん!!
あまりに人数が多すぎて、比較しないとその凄さがわからない・・・・。ので調べてみた所、東京ドームの収容人数が5万5000人。ディズニーランド・ディズニーシーを合わせた一日の平均入場者数が6万人。
とても乱暴な計算ではあるけれど、それらの10倍近い人々が、4時間のイルミネーションのために集まってくる・・・・私の貧弱な想像力を軽く越えている。どのくらいの混雑ぶりか、行列か、とんと見当がつかない。

全く知らない町のことに恐れを成して、神戸在住の友人に「ルミナリエを見たいんだけど・・」と伝えたら、あっさり同行を快諾してくれた。よかった、なんとなく安心だ。


町はすっかりクリスマス。

私が神戸に向かったのは、開催中の土曜日。平日の方が空いているのはもちろんだが、しがない会社員の為、それが許されなかった。
それならば開き直ってそうそう経験することなどできないであろう大行列に果敢に挑戦するしかあるまい。

厚手のセーターとコートの下にはホットな下着も着込み、マフラーと手袋で武装。寒くなってくればコートのフードを被ることも辞さないつもりだ。

会場近くの元町駅に到着したのが午後4時頃だったろうか。アーケード街は年末の慌ただしくも楽しい空気に溢れ、人も多い。友人に言わせれば「普段の週末より人手が多いよ。」だそうである。


年末とルミナリエの相乗効果

早くも町中には警備員や警察官。次第に交通規制も始まっているようだ。

「どんどんね、通れなくなる道が増えてくるんだよ。」
ふうーーーん。この時の私はまだ行列がどれほどになるのか、想像できていないのだ。


歩道の信号機

信号機が早くも止められている。町は普通に機能しているのに、信号が消えているだけで不思議な気持ちになるのは何故だろう。


4時半頃の大丸前

神戸でデパートと言ったら「大丸さん」らしい。大体行列し始めるのも大丸さん辺りからだというので、その辺りで時間を潰しながらうろうろすることにした。
点灯は5時半頃からということで、早い人はもう並び始めているようだが、まだこの時点では、歩道から行列へ横入りが出来ないように白い柵が並べられているのがよく見えるくらいだ。


車道

片側数車線もある広い道路ががらんとしている。これから、この広い道路いっぱい人で埋め尽くされることになるのだろうか・・・。目の前の光景を見てもまだ想像がつかない。


5時頃

30分ほど神戸の中華街を回って戻ってきたら、先程の大丸前がもう人混みになっていた。日も落ちてきて、町の灯りもともり、イルミネーション気分が盛り上がってくる頃だろうか。点灯まであと30分、ちょうど良いだろうと、ここで我々も列に加わることにする。


大丸向いのアーケード

この頃はまだ、大丸向にあるアーケードから人がわっさわっさと行列に加わっていたが、ここから加速度的に行列に加わる人が増え、しばらくするとこのアーケードも封鎖されてしまい行列の最後尾は更に更に伸びることになる。我々はちょうどこのアーケードからすんなり行列に加われた。

大体この大丸前あたりから、ルミナリエまで90分とのこと。ちょっと短い映画なら1本まるまる見れてしまうではないか。皆好きだなあ。・・・私もなんだけどさ。


すごい人

この行列のすごい所は、その太さだ。今まで遊園地やなんやらでいろいろな行列に加わってきたが、人が車道いっぱい(何度も言うが、4車線から6車線もあるような大きな道路だ)に広がって列を作るなんて初めてだ。

行列はすごいのだが、ずっと立ち止まって待ちぼうけということはなく、適度に進むことが出来るし、道が広いためあまり圧迫感がないので混乱も起きない。私も行列は得意な方ではないのだが、それほど嫌な思いをすることももなくゆるゆると並び続けていられた。
この日運のいいことに風がほとんど吹かず、懸念していた寒さもそれほどではなかったのも大きいのかもしれない。

そうそう。
どれだけの行列か、人混みかを撮りたくて、必死にカメラを掲げていたら、後ろのカップルが「人の頭しか撮れてないじゃん。大丈夫かな。」と言っていた。当然のコメントですね、そんな物好き私だけかも知れない。でも、撮りたかったんだもの。


車道の信号

車道の信号も停止。戒厳令がしかれた町みたいで怖い。でも周りにいる人は皆これから見られるライトアップにうきうきなのである。この頃大体6時。空も真っ暗である。


あと30分!

ここでようやく時間表示阪が登場。あと30分だ。ここまで1時間かかっているのだが、更に30分と聞いても驚いてがっかりするよりも嬉しいのは、頭の中がすっかりルミナリエモードになってきているからかもしれない。

なぜならば、目の前の大丸がやけに綺麗なのである。


荘厳な大丸

デパートでこれだけ綺麗なんだ。ルミナリエを見たら感動して泣いてしまうかも知れない。ああ楽しみだ。


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