ガレットをつくろう その2 [とろろそばが出来るまで]
そば打ちへのリハビリとしてフランスでポピュラーなそば粉のクレープ、ガレットを作りました。寝かせ足りない不完全な生地ですが、美味しくいただけるのでしょうか? |
text by 小川 恭
不安ながらも焼いてみよう
悪あがきながらも、生地を冷蔵庫で休ませている間に友人とスーパーへ。
包む具材を調達するためだ。
本場では、バターを塗った生地に粉砂糖をふったものか、卵を落としたところにハムとチーズをトッピングするのがメジャーだという。
しかし、要はクレープと同じだし、生地自体にはわずかに塩を加えているだけなので、どんな具材でも合う、はずである。
スーパーで、なんとなく合うんじゃなかろうか、というものを手当たり次第(もちろんお財布とは相談しながら)買ってきた。
それでは、ガレットパーティーの始まりです!
いきなり所帯じみてて申し訳ない
・・・せっかくのフランス名物も日本の住宅事情の前ではこうなるのだ。
やたら冷え込む私の部屋では、こたつが良い仕事をしてくれる。
こたつにセットしたホットプレートに、いざ生地を流し込む。
緊張の一瞬
おたまの底を使って生地を薄く広く伸ばそうとするのだが、いかんせん生地の粘りが強く戻ってくる。その一方で水分が飛ぶのも早く、焼き上がる一歩手前の状態は非常にもろい。すぐに破けてしまう。
厚く狭く
無理に広げるのは諦めた。大事なのは味だ。
端がチリチリと反ってきたら上に具材をのせる。まずはシンプルにバターと粉砂糖。
おいしい!そばの香りがぐっと前に出ている。端はパリパリ、中心の厚めの部分はモチモチだ。寝かせ足りないのが原因か、少しざらついた感触はあるが、まあ気にならない程度。
気を良くした私たちはじゃんじゃん焼きまくった。いろいろ試して美味しかったのは、
・卵+生ハム+チーズ
・卵+ソーセージ+チーズ
・ツナ+レタス+チーズ+マヨネーズ少々
・ピーナツバター(無糖のもの)+メープルシロップ+ホイップクリーム少々
などである。生地自体がシンプルなので大体失敗はない。ただ、そば粉の味をじっくり楽しみたいなら最初のバターと粉砂糖の食べ方が一番おすすめだ。
豪勢にソーセージ2本。鼻血が出そうだ
しかし、そばは立派な炭水化物である。とてもお腹にたまるのである。
生地をボウル半分残して、お腹のリミッターが限界に。
ガレットが嫌いになる前に、この日のパーティーはお開きとなった。
あれやりたい
美味しいガレットを食べられて満足ではあったのだが、一つひっかかっていた。
私が作ったガレットは、私が憧れていたガレットとはあまりにかけ離れた姿をしていた。
本当のガレットはもっと薄く、大きなもののはず。
そうならなかったのはなぜだろう?
生地の伸ばしが足りなくて分厚くなってしまったからだ。
もっと上手に伸ばすためには何がいるんだろう・・・
そうだ。あのクレープ屋さんで見かける竹トンボみたいな道具、あれだ。
早速私は近くの調理器具などおいてある店に走ったのだが、ない。
それならばと、手っ取り早く自分で作ってしまうことにした。
材料はダンボール
ちょうど仕事場に転がっていたダンボール箱のフタの部分がいいカーブを描いていたので、それをそのまま採用。
初め、取っ手は割り箸かなんかでいいだろうと思っていたのだが、ひさびさにカッターだ定規だといじっていたら楽しくなってきて止まらない。オールダンボールで出来上がりだ。
全体的に骨太です
仕事の合間にこそこそ作っていたのだが、できあがったら嬉しくて、思わず隣の席の同僚に見せてしまった。間髪入れずに鼻で笑われた。
・・いいんです。これで立派なガレットを作るんです。
いざ尋常に勝負
残っていた生地で再度チャレンジ。
一応衛生面を考えて、ダンボールにはアルミホイルを巻いた。
ホットプレートに生地を流し、ダンボールトンボでならす。
ぐいー
気分はクレープ屋さん
おたまよりははるかにやりやすい。生地が寝かされて、弾力が幾分落ち着いたせいもあるかもしれないが、生地が薄く、大きく伸ばせる。
念願の「皿からはみ出るガレット」
やはりホットプレートのせいか焼き色が本場とは違うが、前回よりもかなりそれっぽくなった。味は変わらなかったけど。
難しいコツなどは特になく、美味しいガレット。
リハビリにはもってこいでした。気分を一新してまた頑張ります。
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