酉の市~昨今の屋台事情が面白い~ [あらゆる祭りを楽しもう!]

     

来年のカレンダーや手帳が並び始め、ああ今年ももう残すところわずかになってきたなあ・・と思い始めると、各地で開かれる酉の市。
テレビのニュースで酉の市のニュースが流れると、「ああもう今年も酉の市ねえ」なんて言っていたが、そもそも私、酉の市に行ったことがないではないか。熊手がずらりと並ぶ様も見たことがない!
・・・ということで、行って参りました、酉の市。
まずは、祭礼といえば、雨後の竹の子の如く集まる屋台達。今、屋台もなかなか面白いんである。

text by 和田 朗

関東では東京最大という浅草の酉の市か、新宿花園神社あたりが有名であろうか。一般市民としてはメジャーどころに惹かれるのだが、ニュースや何かで見る混雑具合だと、私のような小心者、立ち止まって写真を撮ったり観察したり・・・などという訳にはいかない気がする。

酉の市は、各地の鷲神社(おおとりじんじゃ)で開かれる祭礼だからして、
結構身近な神社でもとり行われているのではないだろうか、と調べてみたところ、
私が住んでいる横浜でも酉の市が開かれている神社があった。
それが「大鷲神社」である。よっしゃ、これなら!

※酉の市で縁起物を買う風習は、関東地方特有の年中行事らしい。(wikipediaより)そんなことも知りませんでしたよ。幾つになっても学ぶことは多いものであることよ。

大鷲神社は地下鉄の阪東橋駅から出てすぐのところにある。私は今回、JR関内駅から散歩がてら歩いたのだが、途中が繁華街ということもあり、飽きることもなくすぐにたどり着いてしまう。
警察官の交通整理が目につき始めたら、ほどなくして歩行者天国と化した道に突入する。

大鷲神社と、近接する大通りをぐるりと巡るルートで、数々の出店が出ている。その様子は大体下の通りだ。

 
茶色が道路。青いのが出店の出ている辺りである。

私は、右下のスタート地点から歩き始めた。

大鷲神社のある辺りは、近代的町並みと昔ながらの港町、行き過ぎちゃっては日本有数の歓楽街までをも含む横浜の中でも、かなり下町色の濃いところである。大鷲神社の通りを一本隔てたところには、地元民には有名な「よこはまばし商店街」という昔ながらのアーケードもある。加えてこの辺り、アジア系を中心として外国の方も多く住む。なかなか面白い界隈なのだ。

 
写真が暗くてご免なさい。

本来なら、ここはそれほど人通りが激しい道ではない。両側にアパートや飲食店らしき建物がそびえ立つように立っているのからわかる通り、決して広い道ではないのだ。
車ならすれ違うのがやっとというところか。

その通りに右に左に出店が並び、まだ昼間というのに結構な人混みだ。

そして、面白いのは出店の数々。

私が横浜に来てから気が付いたのだが、横浜の人、神奈川の人というのは、地元愛・地元意識が強い。おらが横浜!おらが神奈川!である。

だからか、屋台もやたら横浜なんちゃら、やら横須賀なんちゃら、が目に付く。

 
のしいか屋があっても・・・・

 
メリケン波止場だ。

 
ミナト横浜の味だ。

かと思えば、横須賀風ねぎだこの店もある。なんだろう、横須賀風ねぎだこって・・・。

 
ワイン仕上げ

ここ数年、こういった屋台の並ぶいわゆる町の神社のお祭りなんてものから遠ざかっていたので、屋台の面変わりに驚く。
私が子供の頃と言えば、たこ焼き・焼きそば・わたあめにアンズ飴、金魚すくいに亀すくい・・他にもいろいろあったけれど、ここで見た出店のバリエーションには度肝を抜かれた。

私も、欲しいモノがあれば何でも手に入る時代に生まれたが、今の子はそれこそ24時間お菓子もジュースも手に入るんだもの。出店だって、巷で流行のなんたらかんたら~~を取り入れなければ流行らないのかしらん。

屋台の立ち食い歩き食いといえ、チキンソテーと銘打って鶏もも肉一枚まるまるこんがりソテーしたもの。リブステーキ。イカめしまである。スィーツ系だって、様変わりだ。


ほうら、見てくださいよ。


よくあるチョコバナナかと思ったら


チョコレートファウンテンだよ!

マシュマロや苺が刺してある串を選ぶと、おじちゃんがおもむろにチョコが延々流れ続ける夢の泉に、それをたっぷりと浸してくれます。

これ!デザートビュッフェとかで話題になったやつだよね。
これが屋台で食べられるとは・・・・。というか、こんなところで見れるとは。お釈迦さんでも思うめえよ。

かと思えば、こちらは、もう町中でもおなじみになったケバブの屋台。ケバブの屋台はいくつかありましたが、こちらは、横浜でお店をやっているところが出しているのかな、お店のお兄さんがホンマモン。


トリにするー?まぜてもい(い)よー??

流暢だか、たどたどしいんだか・・・。


目移り目移り。あまりの面白さに。

酉の市が、酉の日に縁起物である熊手を買い、去年の熊手を奉納する・・日であるのはわかっているのだけど、実際ここに足を運ぶ多くの人がこの屋台の雰囲気と祭り独特の開放感を味わいに来ているのは明らかなこと。

同行した友人達も、久々の祭り的雰囲気に酔ったように歩いていたが、彼らが発した言葉「射的が多くないですか??」にはっとした。

ほんとだ。多い。道の左手、多い所では数軒置きに射的の屋台が並んでいる。
これは横浜的なのだろうか。それともこれも昨今の屋台事情なのだろうか。
しかも、それだけ軒数があっても、どこも沢山の人が群がっている。大概は冷やかし客かもしれないが、大した集客率だ。祭りの空気が人を駆り立てるのか。子供も大人も心なしか目がマジだ。
私は子供の頃から今でも、「払った対価とあまりに見合わないモノには食指が動かない(ケチともいう)」タイプだったので、こういう博打的なものに興味を示さないのだが、これだけ射的屋台が並んでいるのを見ると、なんだか気持ちがもぞもぞするぞ。


そうはいっても、屋台の主役は美味しい食べ物と、美味しい飲み物。
あ、そうそう、生ビールしか扱わない屋台なんてのもあった。これも珍しいと思ったのだがどうだろう。

子供達がお小遣いを握りしめて目をキラキラさせているのと、おっさんおばちゃんが嬉しそうに熱燗の入ったカップ掲げているのと。
楽しいなあ。


大鷲神社から真っ直ぐ伸びている道の中央分離帯は、屋台を楽しむ人達の憩いの場。


そうはいっても、私までもが本来の目的を忘れてはいかんな。

ということで、次週は酉の市のメイン、大鷲神社に注目。


酉の市のポスター


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