ラッキョウでイイダコを釣ろう その3 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]
みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。 |
text by 玉置 豊
イイダコ釣り 2007
先週、先々週と3年前に飯田コツリくん(仮名)と行ったイイダコ釣りを振り返ってきたところで、今週はようやく“イイダコ釣り2007年版”の結果をご報告。
今年も前回と同様に川崎丸まで来たのだが、今回は飯田くんが船酔いしないために万全を期してきた。まず、乗る時間からして違う。朝早い船だとどうしても睡眠不足になってしまうので、出船が13時という午後船にしたのだ。
午後船のメリットは以下の通り。
1・・・釣り時間が3時間なので手軽に楽しめてお子様も飽きない。
2・・・料金がリーズナブル。
3・・・貸し道具一式【竿・テンヤ】付きなのでイイダコを持ち帰る入れ物だけ持参すればOK。
4・・・出船時間が13時なので、早起きの必要が無くその日の天候で釣行が決められる。
と、川崎丸のホームページに書かれているように、午後船はゆるい釣り人にとってとても魅力的なプランなのである。
そして現地にいくまでに車酔いされると元も子もないので、飯田くんの運転でここまできた。本人曰く、自分で運転すると酔わないそうなので。
さらに今日の天候はちょっと風があるけれど、まあまあ穏やか。
さらにさらに、川崎丸オリジナルという「酔い止め薬の飲み方」というのを聞いておいたのできっとバッチリ。
※この方法は予約時に電話で聞くと教えてもらえますよ。
ここまで下準備をしっかりすれば、いくら飯田くんでも酔う訳がない。
がんばるぞー。左が飯田くんです。
酔わないはず…。目がすでに泳いでいるけれど…。きっと…。きっと…。
船に乗り込もう
前回乗った午前船は船宿での受付だったが、午後船の受付は釣り船が係留されている港。川崎丸の受付嬢に高校3年生の進路相談みたいな構図で乗船料の支払いをすませる。
「第一志望はイイダコなのですが、釣れるでしょうか。」
乗船の受付は早々に済ませたのだが、荷物を車までとってきたり、着替えをしたりしていたらすっかり船が埋まってしまって、前寄りの方しか席が空いていなかった。がーん。
気がつけば満員のお客さん。
前回、イイダコを釣るには揺れの少ない中央より後ろ側に陣取ることが大事だということを学んでいたはずなのに。まあ人生こんなもの。次のイイダコ釣りでは気をつければいいんだ。きっとまた3年後とかだけど。
船長からレクチャーを受ける
お客さん全員が船に乗ったら、恒例の船長からのイイダコ釣りレクチャータイム。リールの使い方からなにからすっかりと忘れていた飯田くんもこれで安心。
「らっきょうがエサです!」「ええ!」
すでに知っているはずのイイダコの釣り方でも、やっぱりこうやって釣りをする前におさらいできると安心度が違う。きっと今日こそは100匹の大台を超えられる気がする。
さあ、海に出よう
13時の出航時間に合わせて船は港を出発。とりあえず今のところ飯田くんは船酔いしていないみたい。ちょっと髪型が変なことになっている気がするけれど、とりあえず元気みたいだ。
なぜか七三分けになっている飯田くん。
10分ほどの富津クルージングを楽しんだところで、船が止まってイイダコ釣り開始。釣り竿はハゼ釣りの時と同じく黄色と黒の阪神竿を持ってきた。別に阪神ファンじゃないけどね。
どこにいってもこの竿で釣ります。
最初に釣ったのは…
ラッキョウをヒュルヒュルと海底まで落として釣り開始。友人と釣りに行って気になるのは、やっぱりどっちが先に一匹目を釣るかという事。やっぱり先に一匹釣りたいよね。前回は先に釣られてしまったので(おかげで天気が悪くなった)、今回は先に釣ってやりたい。
しかし先に竿を大きくしならせたのは、今回も飯田くんだった。
あれ、竿を大きくしならせる?
イイダコ釣りだと竿先がちょこっと曲がる程度のはずなのにと見ていたら、豪快に地球を釣っていた(根掛かり)。よし、それでこそ飯田くんだ。なんてことは思っていないですよ。でもこれで今日の天気はきっと大丈夫。
乗組員さんがはずしてくれるよ。
飯田くんが地球と格闘している隙に、お先に失礼とファーストイイダコをゲット。ラッキョウ!、いやヒャッホウ!
よし、目標まであと99匹だ。
ワーイワーイとイイダコをしげしげと見ていたり写真を撮ったり浮かれていたら、ありがちだけれどタコに墨を吐かれてしまった。
どうせなら顔に吐かれたかった。
なんだか釣れません
今日はちょっと風があるけれど、天気はいいし、波は穏やかだし、やっぱり釣りって楽しいな~。イイダコが全然釣れない以外は。
…そう、イイダコが釣れないのだ。最初に一匹釣ってからぜんぜんイイダコがテンヤに乗ってこない。これは私だけではなくて船全体の話で、ポツーリポツーリと釣れる程度。船長もさっきから場所を変えたりいろいろとアドバイスをしたりとがんばっているのだが、どうにも船に活気がない。
「ええと、今日は潮が動かないですね…」
なんていうちょっと弱気になった船長のアナウンスを聞きながら竿をフリフリがんばるのだが、ぜんぜん釣れない。イイダコみたいな小物釣りでアタリがないのは結構キツいものがある。
釣れない釣りは猛烈に眠い。
むにゃむにゃ。
眠いったら眠い。
うつらうつら。
もうだめ。
ぐーぐー。
がんばる飯田くん
私がすっかり睡魔に襲われている中、飯田くんは船酔いすることもなくポツリポツリとではあるけれど、どうにかイイダコを釣り上げている。どうやら彼の中になにかスイッチが入ったらしい。仕事ではなかなか発揮しないようなもの凄い集中力を見せている。
なにかスイッチが入った飯田くん。
「船酔いしないと釣りって楽しい!」とハイテンションになった彼は、釣れるたびにイイダコを突き出して大きなアピールをしてくる。とても悔しい。
目の前に突き出されるイイダコ。ちょっと痛そうね。
飯田くんが釣れるとこっちも悔しいので少しがんばってみるのだが、やっぱりすぐ睡魔に負けてグーグーグー。そんな感じで釣り時間は終了してしまい、釣りが三年ぶり2回目の飯田くんが10匹に対して、釣り歴20年の私は僅か4匹。
はい、負けました。
楽しかったそうです。
今日は今シーズン一番といっていいほどに釣れない日だったらしく、残念ながら目標の100匹に96匹足りなかった。まあ自然相手の遊びだからこんな日もあるさ。
とりあえず飯田くんが楽しそうだったからいいか。
イイダコレシピがバージョンアップしていたよ。
イイダコの丸焼き
釣ったイイダコは二人合わせてわずか14匹。それぞれ持って帰って料理するのも面倒だよねということで、囲炉裏のある温泉にちょっと寄って、湯上がりにそこで買った干物なんかと一緒に丸焼きにすることにした。
イイダコの丸焼き。
せっかくもらった川崎丸のレシピを全部無視して、塩もみもせず内臓もついたままで焼いてしまったのだけれど、これが柔らかくてうまかった。頭を噛むとコクのある内臓が溢れてきて最高においしい。これをつまみに飲む風呂上がりのビールが最高なのだが、運転手の飯田くんがウーロン茶なのがちょっと心苦しい。よし、君の分まで僕が飲もう。
ブレブレだぜ。
釣りたい魚はまだまだいろいろあるので、そのうちまたどっか行きましょう。
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