築地市場探検隊 その2 [とろろそばが出来るまで]

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前回は自然薯の回・番外編でしたが、そろそろ本題に近づいて参ります。そば粉はゲット。自然薯もゲット。あと、とろろそばに必要なのは…そうだ!そばつゆだ!
味の要となるそばつゆ。ちょっとこだわって、材料を買いに築地場内市場に行ってみました。
そばつゆの作り方もちょっとご紹介します。

text by 小川 恭

築地場内市場の魔力とも言える魅力のせいで、頭の片隅にある「かつお節」の文字が今にも振り落とされそうな状態になっている。「かつお節」がクリフハンガー状態だ。

そしてさらに目の前に迫り来る数々の敵。

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サンプルって本物より美味そうな時がある

さすが寿司屋の聖地、築地。合羽橋まで行かなくてもここでサンプルも揃えられてしまう。
桶ごとでも一貫ずつのばら売りもどちらでもOK。

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ミニチュア版もあります

ミニチュアといえど芸が細かい。飾り切りされたイカの刺身の上にはいくらが載っちゃってるよ!サンプルのくせにこの美味しそうなビジュアルはなんなんだ。


もう「かつお節」は猛吹雪に巻かれて遠くへ飛んでった。

逃げちゃダメだ

あまりの楽しさに浮かれた足取りでフラフラさまよっていると、そろそろお腹が空いてどこかに入りたい同行者が「先にかつお節買っちゃいなさいよ」とぴしゃり。

はっ。
我にかえった。

そこから今度はお店がどこにあるか忘れてしまい(とにかく広いし多種多様なお店があるので、一回行っただけでスムーズにたどり着くのはなかなか至難の業)、さまようことしばし。

やっとたどり着いたのがこちらのお店である。

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秋山商店さん

赤いのぼりも勇ましい、こちらはかつお節やさば節などを扱う「節」モノの専門店だ。

最初にお世話になったきっかけは分からないが、とりあえず最初は母がこのお店の情報を掴んできた。以来、我が家のかつお節はココ一本である。

こちらは場外にもお店があるので、いつもはそちらで買うのだが、前回来たときに場内にも店舗があることを知った。ちょうどこの日は休日ということもあり、場外市場は満員電車状態。人が幾分少ないこちらに来ようと思い立ったわけだ。

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味のある店構え

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ずらりとかつお節の箱が並ぶ

初めてこのお店を訪れた際びっくりしたのは、この箱に入っているかつお節をちょっとつまんで試食していいということだった。

一緒に来ていた母がおもむろにフタをがばっと開け、かつお節をむしゃむしゃやりだしたときは慌てて「ちょっと!!」と止めたものだ。ついにボケて、やって良いこと悪いことの区別がつかなくなったのかと泣きそうになった。
しかしお店のお兄さんはにこにこしてるし、母も「いいのよ、ちょっとなら。試食よ」と私にもひとつまみ分けてくれた。

もらったかつお節を口に含むと、いままで食べていたパックのおかかとは全然違うことにまた驚いた。旨味が濃く、お醤油もかけていない、かつお節だけなのに美味しい。

紙や木の皮のように見える削り節だが、これは魚から出来ているんだ、と分かる味だった。ちゃんと生き物の肉の味がする。とてもうまく出来ている魚のジャーキーのような味。

私のかつお節観(そんな言い方があるか疑問だが)を180度変えたかつお節がここのものだったのである。

今ではすっかりファンになってしまったこちらのかつお節でダシを取ると、非常に美味しいそばつゆが出来上がる。

いそいそと買ってきたかつお節で、さっそくそばつゆを作ってみよう。

そばつゆを作ろう

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ついつまみたくなる

我が家流の作り方は非常にアバウトである。
秋山商店の方が知ったら「うちのかつお節でなんちゅうことを!」と怒られるかもしれないくらいだが、それでも美味しくできるのだから、いつもまあよしとしている。

鍋に水を入れ、火にかける前にかつお節を入れる。
量は、ちゃんと量ったことがないので適当なのだが、水1カップに対しかつお節を軽くひとつかみくらい。少ないと味が薄くなるが、多すぎてもちょうどいい量の時と変わらないので、ほどほどに。

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昆布も登場

同じく火にかける前に投入。大体10センチくらいの長さに切って、鍋にポイ。

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ふつふつ

合わせたら火にかける。だんだんアクが浮いてくるので取り除く。でも適当でよい。

沸騰してきたら、酒・醤油・砂糖を入れる。量は…頃合いを見ながら、と言ったら怒られるだろうか。
大体酒と醤油は鍋2回しくらい。砂糖は、片手鍋くらいの量で大さじ3杯くらい。調味料を加えてからもう一度沸騰させたあたりで味見をして(沸騰する前だと酒のアルコールが残っていて味が変わる)、適宜調整するとよいと思う。

最後に塩をひとつまみ入れて味をととのえる。
ダシを取った後のかつお節・昆布はそのまま鍋に沈めておいていい。そのまま冷ますと味がさらに落ち着く。すっかり冷めたら漉して、容器に入れて冷蔵庫で保存すれば、1週間は楽にもつ(※夏場は鍋ごと水につけるなどして手早く冷まし、早めに冷蔵庫に入れた方がいいです。何も添加していないのでそばつゆも腐ります。経験済)。

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これで出来上がり

ほーら簡単でしょう。私も各材料の量もしらないまま、見よう見まねで作ったのだが案外成功してしまった。これ、そばのつけつゆはもちろん、天つゆにしてもいいし、煮物のダシにつかってもいいし、なんでも使える。超便利。

これで、そば・とろろ・そばつゆ、全て揃った。

あとは、そばをちゃんと打てるかどうかなのだが…。


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