かかし祭りを見てみたい その1 [あらゆる祭りを楽しもう!]

   

数ある検索サイトで「かかし祭り」と検索してみてもらいたい。出るわ、出るわ、日本各地でかかし祭りだ。
そのどれでもいい、ぽちっとクリックして、実体を見てもらいたい。
かかしの概念を覆すへんてこりんなかかしの数々。時代を映したかかしの数々。「すーごいなーシュールだなーーー。」ってのも沢山ある。個人的好みに走る大人の暴走。自由闊達な子供の発想。これは面白い、見てみるか。

ということで、茨城は里美のかかし祭りに行って参りましたよ。

text by 和田 朗

子供の頃、田圃に壊れそうなマネキンが置かれていて泣きそうになったことはないだろうか。

私はある。70年代生まれ世代がちょっと怖いと思いつつ見た「デビルマン」。その中でマネキンが大行進するシーンがあった。なぜか再放送を見るたびに私はその回に遭遇する羽目に陥ってしまい、それ以来かなり大きくなるまでマネキンが怖かった。完全なトラウマである。

母の実家が農村だったので、田圃の中の壊れ果てたマネキンかかしを山のように見てきた少女時代。あれは、なんだ、鳥除けじゃない、私除けだ。怖くて田圃の端も歩けやしない。

最近は、そういうマネキン型かかしも見なくなった。よく見るのは、キラキラ光るテープ状のモノを張り巡らしたものだったり、明からにカラスを模したビニール製の黒い鳥を逆さにぶら下げて「見せしめ」にしたもの。

「ホンモノ」が実際の被害を効率よく避けるためにどんどん実用一途になり、日々改良を加えられていく半面、人型でさえあればよかったかかしにほっかむりさせたり、スカート履かせたり一手間かけて遊んでいた気持ちを、どこかに置き忘れることはなかった・・・・・。それがかかし祭りなんじゃないかと私は勝手に思っている。

実際、人型なんて置いたって、今時鳥はくるけどさー、あれって面白かったじゃないか、なあ?
ならさー、面白いって部分だけでかかし作って皆で見せあいっこして遊ぼうじゃないか、楽しもうじゃないか、なあ??

ってな風に。

人間遊びの心はなくしちゃいけないのだ。


朝早い。空澄み渡り。

朝早く家を出た。渋滞を避けてのことだが、この季節の朝は空気がことのほか澄んでいて気持ちがいい。かかし日和だ。
秋空にかかしがよく映えることだろうよ。

さて、この日も目的地だが、ネットで検索してもいまいち正確な場所が出てこない。里美かかし祭り、というものだが、里美町自体が今や市町村合併で常陸太田市に代わり、常陸太田市のHPを見ても、開催場所がいまいちよくわからない。

しょうがないので、常陸太田市内にある、里美と名の付くガソリンスタンドにカーナビをあわせて出発。あとは、現地にいって「かかし祭りどこですか??」と聞くしかない。

そうこうするうちに常陸太田市に到着。ここが主要道路だよねー、ここを走っていけば看板くらいあるかなーと思っていると


あ!○ンパンマンかかし!

ガードレールにかかしの看板が現れ始めた。しかし、可愛らしいかかしの形をしているだけで、この先、だとも、開催中、ともなんにも書かれていないのがなんというか・・・・牧歌的?

それでも、この道を走り続けるしかないだろう・・と開き直って走り続けること十数分。あ!前方になんかある!!


かかしが側道のガードレールに並んでる

あそこだ!きっとあそこに違いない!!



駐車場

里美ふれあい館イベント広場だそうだ。駐車場が広い。こんなところに朝早くから来るのは我々くらいか。いや、というか、我々が来るのが基本的に「遅すぎ」なのだ。なぜなら、このかかし祭りは、11月初旬から行われていて、我々がここを訪れたのは12月初旬。かかし祭りの最終日だからだ。

駐車場前方の広場には所狭しとかかし達。前方には、かなり大型のかかしもあって、見るなり私は笑い始めてしまったのだが、まずは、メイン会場以外の側道や駐車場わきの案内かかし達からして楽しい。


駐車場入口に座る駐車場係かかし。


先程、国道から会場を見つける手がかりとなった側道に並ぶかかし。


これも恐らく会場の看板代わり。

これらのかかし達は、ビニールや発泡スチロールなので作られ色も綺麗で非常に目に付きやすい。執行部などが作ったのだろうか。看板代わりにはもってこいである。これもこれで、手作り感あふれているのだが、こちらのメイン会場のかかし達はすごい。


ずらっ!どうだーーー!

駄目だ、今見ても笑ってしまう。

こちらは、先程の案内かかし達とは違い、稲藁を集めて作っていて、見るからに重厚感が違う。存在感がすごい。というより、前方にある力の入った作品群などは特に「デカイ・・・・・。」。
圧倒的な威圧感だ。鳥は除けないかも知れないが、人を威圧する力はある。「かかし祭り」としては間違っていない。

いやいや、本当にすごいのだよ。単に大きいだけではなく綺麗に揃えられた稲藁できっちり作られていて、これぞ力作といったかかし揃いだ。

まずは圧倒される各賞に輝いたかかしに、感心するやら、その着眼に笑うやら。


ストップひばりくん!

準グランプリの「ストップ・ザ・飲酒運転 ひばりくん」。ストップひばりくんといえば、江口寿史・・の同行者が「これ、なんでひばりくんなんだ?」とつぶやく。
そりゃー鳥の「雲雀」だからでしょうよ、と答えたら、「雲雀ってこんななのか?」と。
デフォルメでしょう、そらあ。タイトルだって、言葉遊びでしょう、洒落でしょう、そらあ。


きたろう

こちらも準グランプリ。
大きさと威圧感では群を抜いていた作品。真っ先に目に入ってきて私が思わず吹き出してしまったのもこの作品。いやあ、素晴らしい。

「イノシシ御用!」だそうで、この場に及んでは、今年の干支であるイノシシもしっかり捕らえられている。


それでも負けじと目を見張るイノシシ

かかしの本領発揮だ。やはり農家にとって農作物を荒らすモノは敵なのだ。それを退治せんとしないで、なにがかかしだ。

ああ、でもこのキタロウ、目が血走ってるし、ちゃんちゃんこは上り龍みたいな柄になってるし、絶対敵に回したくないかかしだ。

そのお隣が、グランプリのかかし。


米俵をひくネズミ


子里づくり委員会作

大きさ、威圧感はキタロウに劣るけれども、造りが見事。綺麗に綺麗に作り上げられている。ネズミの表情も体型も愛らしく、愛嬌あふれる。
大型の稲藁を原料に作られたかかし全てに言えることだけど、これ製作に一体どれくらいの日数と人手を要するのだろうか。遊びで片手間に・・・なんて作れるものではない。本来の目的から離れた完全に「見せるためだけの余興としてのかかし」といえ、そこには作る側の心意気が。だって、絶対皆さんなにかを犠牲にして作ってるよ。すごいよ。

いやあー、綺麗だ、すごいよ。と感心していて、はっと気が付く。

いや、鳥除けの為のかかしじゃないからいいんだけどさ。

・・・・・


ネズミの体

ネズミのボデー。毛らしさを追及して稲穂をそのまま使っているけど、これ、鳥が寄り放題だ。この突っ込みどころ満載さも魅力だ。

この他、今年らしいものや、思わずかかしの概念を考えてしまうモノなどあまりに盛り沢山で1週では書ききれなかったので、次回は「かかし祭り」番外編・・・・おもしろ編?


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