ラオス・フェスティバルで遊ぶ その2 [あらゆる祭りを楽しもう!]

     

最近、世界各国を紹介するイベントが頻繁に行われている。5月に行われる大規模イベント「タイ・フェスティバル」、もう10年以上の歴史を持つ「セント・パトリックス・デイ・パレード」、ビールの祭典として定着した感のある「オクトーバーフェスト」などは有名だけど、なんと今年、代々木公園でラオス・フェスティバルなるものが初めて開かれるという。なんと!ラオスとな!これは行っておかないと。

text by 和田 朗

ラオス・フェスティバルで遊ぶ その2

先程の学園祭のような雰囲気漂うブースが並ぶ一角からほど近いところに、輸入食材ばかりを並べている一見して「店舗」とわかる店があったので入ってみる。

おっおー! 分かり易い。ちまたにあるアジア食材店や輸入食材店そのもの。

ずらりと並んだ商品の陳列にも素人っぽさではなく玄人らしさが滲み出ている。普段から食材を買うことに人並みならぬ意欲を見せる私としてはやはりこちらに興味をそそられてしまう。やはり未知なるモノへの興味のとっかかりとなるのは、他の何より食欲なのかも。きっと・・・私だけじゃないはず。

 
ずらりと並ぶ加工食品や調味料

うーーん。でも、中をじっくり見渡すとちょっと違う気が。
試食品も並べてあるのだけれど、悲しいかな、ラオス食材というよりはアジア食材。というよりタイ食品。ぽりぽりつまんだココナッツスライス、香しきドリアンチップス、全てタイ製。
そう。今更ながら、ラオスはタイのお隣の国なのだ。
私が調べられた限りではあるが、日本国内にラオス料理専門店は無い。ただ、タイ・ラオス料理店と銘打って料理を食べさせてくれる店はいくつかある。
風土や気候が似ていれば、地続きの国で似たような料理がいくつもあるのは珍しいことではない。特にラオスとメコン川を隔てたタイのイサーン地方の料理はラオス料理に近いらしい。ちなみに住んでいる民族もラオスと同じラオ族だ。言葉も似ているらしい。なるほど、なるほど、さもありなん。
そうよ、そうそう、前向きに良い方に良い方に考えていかなくては。


食材が並ぶと興奮するけど・・タイ食材

タイ製とはいえ、この辺りの調味料を揃えれば、それらしいものが作れる訳だし、実際日本の調味料を使って真似るのより、やはり気候も文化も近いタイのものを使った方が俄然「らしく」なるわけだもの。昨今、日本でもいろいろな食材が手に入るようになったとはいえ、バジルはバジルでもポピュラーなスィートバジルではなく、あちらで欠かせないホーリーバジルや、こぶみかんの葉、果物として食べるのではない野菜としての青いパパイヤなどはどこでも簡単に手に入る訳ではないし、タイ製・ラオス製関係なく、無いよりあったほうが、絶対家でも盛り上がる。うん、それでよしとしよう!

今回同行してくれた夫は、ぽつねんと「ラオスはこのバジルの香り。」とつぶやいた。そうだよね、どこの国にも印象的な調味料やハーブがあるけれど、ホーリーバジル一つでラオス料理気分が味わえるのならそれはそれで「有り」ではないかと。

私は今回ふくろ茸の缶詰をお買い上げ。ホーリーバジルは魅力的だったけど、すぐ使わないと生のハーブは意味が無いから。うーん残念。

並んでいるのは、缶詰や瓶詰めがメインだが、ブースの一角に生菓子がずらり。


日本の生菓子とはまた違った色彩感覚。奥は餅米(カオニャオ)。

アジア圏の国に行くといつも思うのは本当に皆「米(うるち米・餅米含めて)」が大好きだということ。食事時にたっぷりのご飯を食べるのはもちろん、米麺にしろ春巻きの皮にしろ米の加工品は欠かせないし、米粉を利用したお菓子も多い。こちらラオスフェスティバルで売られている生菓子も米の加工品がほとんど。もちもちした食感にナッツのアクセントや豆餡の旨味、ココナッツの風味などを付けたものが色とりどり並べられている。といいつつ、こちらも実はタイフードのお店が作っているタイのお菓子なのだが、ラオスでも近いものが食べられている・・・のだと思う。


シンプルな餅菓子か。コイン大で可愛い。


原材料:餅米・バナナ・ココナッツミルク・ココナッツパウダー。味の想像が付きますね。


こちらは鶏卵入り。見るからにもちもちふわふわ。


ココナッツういろう・・・に見えるが未食なのでよくわからず。


何度眺め回しても何かしら餅米もしくは米粉が使われている。

ずらりと生菓子の写真を載せたが、残念ながら味のご紹介が出来ない。本来なら食べ比べてみるべきなのだろうが、実はこの日、私は体調不良でとても甘い餅菓子を食べられる状況になかったのだ。軟弱者で申し訳ない。とほほ。ここは写真だけのご紹介でご容赦願いたい。

そうは言いつつ、もし売っていたら膨満感にやられようとも食べたかったラオスのデザートがあったのだ。それは最初に少し触れたラオス旅行の際、ビエンチャンの街角で食べたクレープ状のお菓子。

ラオスはタイ・カンボジアの影響下にあった時代を経て、その後隣国に対抗するためにフランスの保護国となった歴史を持つ。そう、ベトナムと並び、フランスパンが庶民の生活に根付く国なのである。実際、ラオスのカオ・チー(フランスパンサンドイッチ)は泣けるほど旨い。

そういったフランスの影響かどうかは知らないが、私が出会ったその街角の店はクレープを売っていた。店といっても家の軒先でおっさんがガスコンロとクレープパンを並べただけの安普請である。
旅で浮かれた日本人がふらふらと通りかかったその道際で、まず、おっさんはクレープの生地をクレープパンに広げる。生地が広がった状態で卵をポンとのせ、黄味を潰して生地の上にぐしゃぐしゃと広げると卵が乾ききらない内に砂糖をかけ、コンデンスミルクも更に回しかけただけでくるくると巻いて藁半紙で包んで子どもに手渡している。うわーあ。シンプルにしてこの魅惑的なビジュアルったら!思わず、英語すら通じないこのおっさんに、ソレソレ、ソレを一つくれと手振り身振りで指し示して買ったその美味しさ。
この味が忘れられず、旅行中他の店でも食べようと思ったのだが、結局このおっさんの店で見たきり、二度と再び出会うことがなかったのだ。ラオスではポピュラーなデザートなのか。それともあのおっさんが一人売り続けているものなのか、知る由も無いのだけど、時々思い出してはくーーーーーっとなる。旅行の開放感がそう感じさせたのか、はたまた地鶏の卵による素材の良さなのか、あれ以上のクレープには未だ出会っていない。くーーーーーーーっ。

もしかしたら、この日このクレープに再会できるかと期待していたのだが、残念ながらここでも出会えなかった。やっぱりマイノリティなのかしら。嗚呼、ラオスフェスティバル関係者の皆さま、来年は是非。

話が大分逸れてしまった。

さて、こうして思い出に浸りながら入り口付近のブースを探索していると、今度はステージの方から何やら可愛らしい声が響いてくる・・・・。なに?


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