ほっと落ち着く澄まし汁 [親から届いた野菜です]
両親は定年後、二人で畑を耕す生活を送っています。 |
text by 堀江優子
コンビニ弁当と外食生活を繰り返していた頃
お料理にかかる手間をなるべく省いておいしいものを作りたい。そんな要望をかなえる為、今ではいろんな発達した調理器具や加工食品が手に入ります。
また、コンビニでお弁当を買ってきたり、外食をしたりして、家でお料理を作らない人の割合というのは、今では本当に多いのではないでしょうか。
かくゆう私も、何年か前までは、忙しさにかまけて朝はコンビニのおにぎり、昼はまたコンビニのお弁当やお惣菜、夜はラーメンか牛丼、たまにハンバーガー(しかもダブルチーズバーガーを2個とか)という生活を、毎日繰り返していました。飲んで終電近くに帰って、家の近くのラーメン屋さんで食べるとんこつ系のラーメンのうまさたるや、もうたまらないものがありました。
ただそんな生活を2、3年繰り返したら、もう飽きちゃいました。明らかに不健康なことは分かっているし、体の、とくにお腹のあたりと、体調に異変が感じられるようになっていた頃、親が野菜を送ってくれるようになって、徐々にですが自炊を再開するようになりました。そうすると自分がいかに「濃い味」に慣らされてきたか、ということがよく分かったものです。
両親が野菜を送ってくれなければ、私は延々と、ラーメン、牛丼、ラーメン、牛丼、時々マック、みたいな生活を繰り返していたのではないでしょうか。それで栄養バランスが取れれば何も問題はないのですが、そうではないですからね。
野菜を送られてきた最初のころは、野菜をだめにしないように早く料理して片づけないと、という意識が働いて、半ば面倒くささ、半ば腐ることへの恐怖にかられながら作っていたのですが、今では割と苦にならなくなっています。働きながらだと、忙しい時どうしてもずっと料理する時間がとれなくて、野菜をだめにしてしまうこともあります。ラーメンを食べに行くこともあります。でもそれはしょうがないことだな、とも思うようになってきて、楽しんで料理に取り組めるようになったのです。
やっぱり出汁(だし)はちゃんと取りたい
楽しんで料理ができるようになると、やっぱりおいしいお出汁がとれる、おいしくお米が炊ける、など、基本をきちんとしなきゃな~、と思うようになりました。といってもある材料で出来るだけ丁寧にできればいい訳で、無ければ無いでそれなりに簡単に作るので、こだわっているわけではありません。むしろこだわらない方が気が楽でいいです。
今回は昆布とかつお節で出汁をとります。
お鍋にお水2リットル程度をいれ、水のうちから昆布(濡れ布巾でさっと表面をふいたもの)を10-15g入れます。中火でお湯を沸かし、沸騰直前で昆布を取り出します。
お水の時から昆布インです。
沸騰直前で取り出します。
そしてかつお節を入れて沸騰させ、しばらくしたらざるか清潔な布巾でこします。今回は市販のかつお節の1パックを使いましたが、本当はもう1パックぐらい使いたい所です。が、ケチってしまいました。まあそれでもそれなりの味になるのでいいじゃない、という訳です。
かつお節、いい味出せよ~
沸騰したら火を止めてこします。
出汁が取れたー!簡単。
要するにここまでの作業を省いてくれて安価に出汁が出来るのが、だしの素など市販されている製品になるわけです。その安さはとても魅力的ですし、一定の味が出せますから、普段は私もだしの素派です。しかしやはりちゃんと昆布や煮干しでとった出汁の方が、取り方は加減や分量などが難しいけれど、おいしいんですよね。
たまにはちゃんとした出汁をとっておいしいお汁を頂きたいものです。
家にあった食材を適当に。
今回は両親に送ってもらったしいたけと大根に、鶏肉とにんじん、玉ねぎを加えて適当に切ったものをどばっと入れます。
固い食材から先に入れて
柔らかい食材は後から入れて
しょうゆとみりんと料理酒を2:1:1の割合で入れます。
しばらく煮立って野菜が柔らかくなったら弱火にして、しょうゆとみりんと料理酒を2:1:1の割合で入れ、味見をしながら塩こしょうを少々入れれば完成です。
澄まし汁、出来ましたー
なんといってもお出汁の味は落ち着くね~、日本の味だね~というわけで、大変簡単ではありましたが澄まし汁ができました。簡単でおいしいのが一番ですよ。それが長続きの秘訣です。皆様のご家庭でもそれぞれのおいしいお出汁の取り方があるのではないでしょうか。こんなお勧めの方法がある、というのがありましたら是非教えていただきたいです。
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