静岡おでんフェスタに行ってきた その2 [あらゆる祭りを楽しもう!]

column_big_thum080305.gif column_ttl080305.gif

皆さんは静岡おでんを知っているだろうか。

私は昔テレビで、ジュビロ磐田の中山雅史と結婚した生田智子が「家でおでんを作ったら、黒はんぺんが入っていないと怒られた。」と言っているのを見て初めて静岡おでんなるものを意識した。

静岡県民の静岡おでんに対する熱意愛情に対する興味・・・更には食いしん坊の私の「食べてみたい」願望・・・。行って、見て、食べるしかないでしょう。

text by 和田 朗

どのお店で食べようか、テントをちらちら覗くが、私にわかるのは具材の違いくらいである。といっても、静岡おでんの五ヶ条があるくらいであるからして、黒はんぺんや牛スジ、おでんと言えば・・の大根(私だけだろうか)はほとんどどこの店でも扱っていて、大筋は同じ。あとはもうテントの面構えとフィーリングで選ぶしかない。

うーーーん。悩むなあ。

080227_12.jpg
「おがわ」

単純なもので、やはり行列が出来ている店に並んでしまいたくなるものでして。行列が行列を呼ぶ、ということもあるのだけれど、10時過ぎのまだ人出もまばらな時間帯であるにもかかわらず既に人が並び始めていたこちら「おがわ」を一店目にしてみることに。

080227_13.jpg
500円のセットと600円のセット。

大体のお店が500円ほどでいくつかの具を盛り合わせた一皿をセットにして売っている。何軒かはセットの他に単品売りもしていたが、店のお勧めが一盛りになった方が特色が出ているのかも・・という根拠のない思いこみから食べた全ての店でセットをいただいた。

こちら「おがわ」では、500円のセットにすると練り物をいくつかの中から選べるらしい。関東ではあまりおでんにそのまま入れない「なると」を選ぼうと思ったのだが、まだ朝早い為か問答無用でさつま揚げになってしまった。 まあいいか。

080227_14.jpg
「おがわ」のおでん

大根、黒はんぺん、牛スジ、こんにゃく、昆布、さつま揚げが入って、上に青のりとだし粉がかかっている。

そうそう、このフリカケが私の静岡おでんのイメージ!

関東のおでんはだし汁もたっぷり入ってだし汁をすすりつつ食べる、具だくさんスープというか鍋物のような感覚だが、静岡おでんはだし汁はあまり入れず、具自体を楽しむようだ。飲むためのスープではないからか、だし汁の味付けも濃いめでしっかりしている。

080227_15.jpg
黒はんぺん

こちらが、生田智子が夫中山雅史に怒られたという黒はんぺん。

鰯や鯖で作られている練り物でつみれと似たようなものだ。もちもちとした食感がよく、食べ応えがありこれは美味しい。あーおでんとしても美味しいけど、これこのまんまちょっと炙って食べるのでも酒が進むだろうなあ、と思ったら、事実静岡ではおでんに限らずよく食べられている食材だとか。

黒いのは、魚の骨も皮も取り除かずにそのまんまミンチにするからだそうで、これが入るためにもともと醤油やスジで色の濃いスープが更に黒くなるそうだ。

さてさて、一店目、果たしてぺろりである。
二店目はどうしようかとまた通りをうろついていたら、気になる具を看板に掲げている店があった。

それは「焼売」。

あ、想像するだけで美味しそう。

080227_16.jpg
持舟窯

持舟窯、もちぶねがま・・と読むらしい。

080227_17.jpg
持舟窯のおでん

焼売、予想通り美味しい。凝っていないシンプルな焼売が出汁に合う。ちょっととろけた皮も美味しい。うーーーん気に入ってしまった。
こちらのおでんには蜂蜜味噌がかかっている。この甘じょっぱい味噌が美味しい。まさにB級グルメっぽい味だ。
おでん自体しっかり味が染みているので、「蜂蜜味噌は無くていい」人もいるだろうな、とは思うのだけれど個人的好みでいえばこれはこれで好きだった。甘味がかなり強いので量は食べられないけど、少しだけ付けて趣を変えて食べてみたり・・つけないで食べてみたり・・という遊びが出来る。ちょっと喉が渇くかな。ビールが欲しいけれど車なのでぐっと我慢。

さて、もう一店くらい食べてみたい・・。どこにしようか。

080227_18.jpg
「海ぼうず」

実は私はおでんの玉子になんの興味も無いタイプである。ラーメンの玉子もしかり。玉子自体はだいすきなのだが、スープ部分が玉子の黄身で濁るのがいやなのだった。
だから玉子を食べるなら黄身がスープに溶け込まないように、それだけ小皿にとって食べる。

逆に玉子の黄身を溶かし込んだあのおでんの汁がたまらない、という人もいる。おでんといったら玉子だ!と言い張る人も知っている。
その人に言わせればゆで玉子単体は半熟が好きでも、おでんの玉子はしっかり固まっていなければいけないそうである。食へのこだわりは人それぞれ。

本日の同行者は、まさにその「おでんには玉子。玉子の黄身はしっかり固まっていなくてはならない」人だったのだが、この同行者が、この看板を見てつぶやいた。
「静岡おでんは汁たっぷりで食べるタイプではなくて味が濃いから、半熟玉子というのもありかもしれない・・。これを試してみよう。」

おお、じゃあ試してみよう、ちょうどここのセットは他店とは具が違うようだし。

080227_19.jpg
半熟玉子・豆腐・餅巾着

今までのお店では浅い平皿のようなトレイだったのだが、さすがにこちらはお椀型トレイ。

さて、では早速半熟玉子を割ってみる。

080227_20.jpg
とろん

こちらのお店のだしは他のお店と比べて甘味が強い気がした。すき焼き風の出汁に感じたのは、気のせいだろうか。とろんとした半熟玉子は確かに美味しかったけど、半熟玉子の宿命、熱々が嬉しいおでんだが玉子だけは熱々ではないのだ。

こちらのお店での作り方は知らないが、かつて私も半熟玉子のおでんに興味を持って作ったことがある。それは、半熟のゆで卵を作り、それを冷ました(ぬるめの)出汁に漬け込んで味をしみ込ませるというものだった。出汁の温度が上がってしまえば、当然玉子は茹だっていくので、熱々には出来ないのだ。

とはいえ、おでん自体の出汁が関東より濃い静岡おでん、そのだし汁に絡ませて食べる半熟玉子は絶品だった。 ああ、白いご飯にのせたい・・。

結局三店のおでんを食べたわけだが、どこのおでんもさすがB1グランプリに出ようという勢いのあるお店である。どれもとても美味しかった。
一店目ということもあり、インパクトが強かったこともあるだろうが、「おがわ」が私の一押し、同行者は最後の海ぼうずが美味しかったという・・。更に「焼売のおでんは美味しい」ということに落ち着いた。結局は人それぞれの味の好みがあるいうことですね。

後日調べたところによると、B1グランプリへの出場権を獲得したのが三店目の「海ぼうず」。二位になったのが、一店目の「おがわ」とのこと。
第六感だけで選んだ店が一位二位に入るとは、面白い結果だ。

お腹も膨れたので、最後に紺屋町通り・呉服町通り・七間町通りなども歩いてみたが、静岡おでんが本当にこの町に根付いたものであることがよくわかった。
通り過ぎた中学生くらいの女の子が、「おでんを食べたーい」と言ったのに対してもう一人の女の子が「いつでも食べれるじゃん~~。」と言ったのが印象的。

080227_21.jpg
静岡おでんストラップ

最後に静岡おでんストラップをお土産に購入して家路につくことにしよう。

080227_22.jpg
買っちゃった

黒はんぺん・たまご・蒟蒻。 「好きなものを選んで下さいね。」と言われたけど、どこが違うのかわからなかった。

我々が会場を後にしたのはちょうど正午頃。どんどん人が集まって賑わってきていた。頑張れしぞ~かおでん。

080227_23.jpg
混み混み


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

トラックバック 0