大津港から午後船でアジ釣り その2 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

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みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊

大きく場所を移動

午前中のタチウオ釣りから引き続いてのアジ釣り、水深35メートル前後という大津くん(仮名)だったら素潜りで海底までいけそうなところでスタートし、ポツポツとカサゴ混じりで本命のアジが釣れている。楽しい。私としてはまあ充分なペースだったのだが、船長としてはこの釣果が不本意だったらしく、「はい、あげてください」というアナウンスの後、「ちょっと移動します!」といって船を走らせること数十分。たどり着いた場所には午前船のタチウオ以上の船団がすでにできていた。

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集まっている船を見ると、やっぱり白鶴まるを思い出す。

我々の乗った船もさっそくこの大船団の脇に止まり、「はい、はじめてください」というアナウンスを合図に仕掛けを投入。シュルルルルルと糸は延々出続けて、水深なんと116メートル! タチウオよりもさらに深いところでのアジ釣りだ。これだけ深いと目が妙に大きかったり、口がガバッと開いたり、変なところが発光する深海系の魚が釣れやしないかとハラハラドキドキ、ウキウキワクワク、お昼休みはウキウキウォッチである。ってなにいっているんだ自分。

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手巻きリールじゃなくて本当によかった。

ところで、こんなに水深が深いところでアジのアタリなんてわかるのかね。100メートル先から20センチの魚に引っ張られても、この釣りセンスが見あたらない私にそれを感じ取ることができるのか、もの凄い不安だよ。タチウオでもギリギリだったのに。

予想に反してビンビン引っ張る魚達

まずは魚を寄せることが肝心なので、コマセを詰めた仕掛けをせっせと上げ下ろしするのだが、水深が深いのでこれが面倒くさい。リールが電動なので疲れはしないのだけれど、仕掛けを下ろすのも巻き上げるのもいちいち時間が掛かる。これだったらさっきの浅い場所でやっていた方がよかったんじゃないかなー。なんて愚痴が出始めたところで水面下100メートル以上もの深さからビンビンにアタリが伝わってきた。きっとタイだな。根拠は全くないけれど、きっと今日の流れからしてそろそろ逆転の一発がくるはずだ。

口元をよだれが垂れそうになるほど緩めながら電動リールのスイッチを入れてグイーンと仕掛けを巻き上げると、道糸が右に左にと強く引っ張られる。この強引な引きは…タイ…じゃなくてサバだよなあ。

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やっぱりサバかい。

掛かったサバが元気いっぱいに右往左往してくれたおかげで絡みまくった自分の仕掛けをほどいていると、私の背中越しに「俺をみろ!」という強力なオーラを感じる。

ドキッ。

振り返れば奴がいる。

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ダブルで本命アジだそうです。そして逆光。

その後もアタリが止まらない様子。なんなんだこの男は。午前船でもう充分オカズは確保したっていうのに、午後船でもまた絶好調かよ。全盛期の中畑かよ。

なーんていつもだったらプンスカするところだけれど、今の私は心が広いよ。「さあ、どんどん釣るがいいさ」っていう感じ。

なぜなら私もいっぱい釣れているから。

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イエーイ。順光。

私も、というか、船全体が入れ食い。

入れ食いって素晴らしい

どうやらサイズこそ中型だけれどアジの群れに当たったらしく、仕掛けを下ろせばすぐ、本当すぐに釣れちゃう状態。もう仕掛けを落としてから釣れるまでの時間よりも、仕掛けの上げ下げしている時間の方が全然長いくらい。ああ、この水深が歯がゆい。なので一匹掛かってすぐ上げずにちょっと待って、二匹目が掛かるのを待つという、普段の釣りではありえないゆとりのある展開。巻き上げてみて一匹しか釣れていないと「チェッ」って舌打ちしたりなんかして。普段だったら一匹釣れただけでもウヒョーウヒョーとうるさいのにね。いやあ、アジでこんな入れ食いは人生初だよ。ありがとう船長!やっぱりこのポイントに移動して大正解!

しかし水深100メートル以上だっていうのに、思っていた以上に魚のアタリっていうのは伝わるもんなのね。スーパーで買い物をして結構食材を買ったと思ったけれど2000円以下だったり、渓流釣りに行ってけっこう山の中でも携帯の電波が3本立っているのを見たときと、ちょっと似た気分だ。いや、どうだろうその例え。

そして大物のアタリ!

もうタップリとアジを釣って1週間分くらいのオカズを確保したのだが、贅沢を言えば最後にもう一発、なにか大きいやつを釣りたい。竿がグググっと絞られるようなやつ。飲み会の帰りに食べる豚骨ラーメンみたいな脂っこいやつが釣りたい。それが釣れれば今日はもう満足なんだけどなーって思っていたら来ましたよ。竿がぐーっと絞られるやつが。

また大津君の竿にだけどさー。

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こんちくしょう。

この竿の曲がり具合、かなりの重さみたいだけれど、なんだかちょっと様子がおかしい。リールはゆっくりではあるが巻かれているので根掛かりではないみたいだけれど、魚らしいヒキが感じられない。どうやら魚じゃなくて重いゴミかなにかを引っかけたようだ。と、油断させておいて実はヒラメだったりホウボウだったりタコだったりっていう可能性もなくはないのでじっくりと見守っていたのだが、釣れたのは残念やっぱりゴミだった。

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釣れたのは糸の塊でした。

なんだー、沈没船の財宝かと期待していたのに。

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でもクモヒトデ発見!

本日の釣果発表

その後もアジはずーっと釣れ続け、午前中とは比べものにならないほどにクーラーボックスを重くすることができた。釣っていた時の感じだとハゼ、ワカサギに続く100匹越えをしたかなあと思ったけれど、実際に釣ったアジは30匹くらいだった。まあ実際に釣っている時間が短いからそんなもんか。それでも別に漁師じゃないから充分に満足だけどね。

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幸せ。

港に戻る頃にはもう日が暮れており、「ああ、もう本当だったらアジとイシモチで一杯やっているはずだったのに…」と大津君がつぶやいているが、聞かなかったことにした。

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一日遊びきった感じだね。

釣った魚を食べる幸せ

大量のアジと程々のサバと少々のタチウオなどを持ち帰り、当然その日の夕飯にいただかせてもらう。釣りの後ってすごい疲れるから、実はガッツリ肉とか食いたくなるんだけどね。豚の生姜焼きとかすげえ食べたいけれど、自分で釣った魚を食べるのだ。

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小振りのアジを4枚に切って豪快に刺身でいただく。
プリプリなのだよ。
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新鮮なアジであえてアジフライ。
フカフカなのだよ。


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タチウオは塩焼きが好き。
本当は刺身が好きなのだが、サイズがねぇ。
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サバは釣ったその日に酢をくぐらせた刺身で。
エッジの立ったサバだ。


タチウオとかサバは釣ったその日が美味しいけれど、アジなんかは刺身にするなら翌日くらいがうま味が出ておいしいかな。初日は歯ごたえのある食感を楽しんで、2日目は柔らかくなった身から溢れるうま味を味わうっていう感じで、どっちも美味しいんだけれどね。

それでもさすがに一人だと一気には食べきれないので、あとは干物にしてゆっくりと味わうことにする。干物は自分で作ったやつが一番うまいっす。マジうまいっす。アジうまいっす。

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あー、写真みていたらお腹減ってきた。

さて、アジやらサバやらタチウオやらのピカピカと光る魚をいっぱい食べたので、次は赤い魚が食べたいなあ。この時期、赤い魚といえば…あれだな。


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rouxchan

釣りの腕前も然ることながら
料理の腕前も上がるんですね!
鯵三昧、とてもおいしそうです♪アジフライが特に!
by rouxchan (2008-03-11 20:25) 

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