横浜中華街で春節を祝う その2 [あらゆる祭りを楽しもう!]

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日本では正月気分も抜けた頃にソレはやってくる。

ソレ、とは旧暦の正月「旧正月」のことである。旧暦とは、かつて日本でも使われていた中国歴のことであるが、今も中国・台湾・韓国などでは旧暦の正月は重要な祝祭日であり、1月1日の元旦よりも盛大に祝われる。

旧正月は中国語で「春節」。今年は2月7日だが、この日から続く数日間は横浜中華街でもパレードや演舞が見られる。町全体が華々しいムードに染まる春節を今回はどうぞ。

text by 和田 朗

パレード開始の4時まで30分を切った。そろそろ山下町公園で衣装を着た人々が集まっている頃ではないだろうか。

ひょいひょいと足取り軽く山下町公園へ。

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色とりどりで華やか

居ました、居ました。ずらりと並ぶのは、皇帝衣装を纏う人、先程も見た皇后様風の方も人力車に乗っている。大きな頭のかぶり物をかぶった人、京劇でおなじみの孫悟空の衣装とメイク、少数民族風の可愛らしい衣装を纏う若い女性達・・・。

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人力車に乗るのは高貴な2人

まだパレード前なので皆さんの表情が自然で穏やか。まだまだこの様子を眺めていたい気もするが、そろそろコース上で陣取っておかなければならない時間なので、公園を後にする。

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既に場所取りの気配

この山下町公園の前辺りは場所取りがまだそれほど熾烈ではなく、一番前を陣取ることも可能であった。ただ、悲しいかなこのパレードに来たのが初めてなので、パレードがただ行進するだけなのか、どこかで立ち止まって演目や演舞のようなものがあるのか、イマイチ見当がつかない。
もし、演目めいたことをやるとすれば、それは関帝廟あたりであろうし、でもきっとその辺りは混んでいるであろうし・・・・とても悩んだのだが、関帝廟前まで進むことにする。

やはり想像違わず、関帝廟前では最前列を陣取ることは不可能だった。それでも前にあまり背の高い人が居ないような辺りに陣取る。さ、こうなってしまえば、パレードの開始を待つばかり。
今日は幸い陽射しが暖かく風も少ないので、立ちつくしていてもそれほど苦痛ではない。

しばらく待っていると、予定通り開始時刻の4時に激しい爆竹の音が聞こえてきた。スタート地点の山下町公園から私が居る関帝廟は、それほど遠くないので、ざわざわっとした観客の息づかいまでが伝わってくるようだ。

それにしても、警備の方と観客の攻防戦はすごい。ちょっと放っておくと、よりよく見ようとする観客がざわざわと車道まではみ出て、警備員がそれを注意して一旦は歩道へ戻るものの、しばらくすると、また観客がはみ出て・・・。素人カメラマンの中には、早くから並んでいた方々の前にしゃがみこんで陣取ってしまう人も居て、この混乱ぐあいが完成されたテーマパークのパレードと違って、春節らしいなあと思った。

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先頭隊

激しい爆竹の音が聞こえてくると、まず姿を現したのは先程も見た皇帝風の衣装を身に纏った人物。以前の写真など見ると徒歩で行進していたこともあったようだが、本日は人力車にのって、悠然と手を振っている。あちこちでシャッターがぱしゃぱしゃと切られている。

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やあやあ。

この後に続いたのが、やはり先程の皇后風。
ばっちり京劇風のメイクの皇帝と違い、派手なメイクとはいえ素顔が垣間見えるので、こちらはこちらで大人気。

パレードはどんどん続く。

山岳民族や少数民族風の長いスカートを身につけた女性達が踊りながら行進している。黒と赤をベースにした衣装に金色の飾りをあしらった衣装で、くるくる回るとスカートがぱあっと広がって可愛いのなんの。

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くるくるくるくる

民族衣装というのは、どこの国のものでも何か心惹かれるものがあるが、こんな可愛い衣装をつけてくるくると踊られるとそれだけで私の顔もほころぶ。

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独楽回し

次に現れたのは、チャイナドレスに身を包み、紐を見事に操り中国独楽(こま)を回すお姉さん。
なかなかタイミングよくシャッターを切ることが出来ずに、いい具合で独楽を撮影することが出来なかったが、鼓のような形をした(真ん中がくびれた)独楽を両手に持った紐で巧みに操り、回したり飛ばしたり。

真剣に独楽を回している為か笑顔がなくちょっと無愛想なところもまた良し。

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大きな頭のかぶり物

かぶり物をかぶった人も数人居た。

かぶり物というか着ぐるみなのだが、この他に人目をひいたのは、今年公開のアニメ映画「カンフーパンダ」の主人公ポー。とにかく巨大。中華街の「マスター・コンシェルジュ」(観光ガイド)らしい。民族衣装の中に、巨大なパンダ・・異彩を放っていた。

次々と現れる極彩色の衣装の人々、皿回しなどの演技をやりながら行進する人々。 その合間合間に響く爆竹の音。中国~~という感じである。

先程の皇帝も京劇風のメイクだったのだが、ここで、京劇風メイクの美青年と孫悟空も続く。この京劇独特のメイク、日本の歌舞伎の隈取りとなんとなく共通する部分があるような気がするのだが、こういったパレードでもこういうメイクが見られるものなのかと納得・感心・感嘆しきり。

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よ!色男!!

やはり人気があるのは孫悟空。
しかもこれが関帝廟前の効果かどうかはわからないけれど、しっかり立ち止まって相手役と如意棒ふるっての大立ち回り。

さすがに飛んだり跳ねたりはほとんど無いけれど、如意棒を巧みに回しての大立ち回りには、観客から「わあっ」という歓声があがる。

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ほ!は!

立ち回りの後には他の行進者達と違って、にっこり笑ってポーズ!ではなく、仁王立ちになってすごんでみたりと孫悟空大人気。

観客の盛り上がりも増してきた所に、後方からまた派手に聞こえる爆竹の音。
そう、ここから、お待ちかねの獅子舞なのだ。派手な色が後方からちらちら見える。わーーー。


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