自然薯はどうなった? [とろろそばが出来るまで]

     

「オーナー制度を駆使してとろろそばを作る」と大口を叩いたこの企画。そういえば最近番外編ばっかりじゃない?とお思いの方もいらっしゃったかも、しれません。
まあ特になにも言われないので、そのままにしておいてもいいのかもしれませんが…いやいやそんなわけにはいかない。
知らん顔してかわし続けてもいられません。このあたりでついに白状いたします。

text by 小川 恭

本題を忘れてないか

とろろそば、と銘打っておきながら、最近そばの話は出てきてもとろろの話が一向に出てこない。


こんなのや

こんなのばかり


おかしいとは思いませんでしたか。そう、そこのあなた。
おかしいと思ったでしょう。ねえ、ほんとはそう思ってたんでしょう。
言えばいいじゃない!おかしいと思ってたって、言えばいいじゃない!!

・・・いけない、自意識過剰になりすぎて私が一番おかしくなってきている。

地味な企画ゆえ、糾弾を浴びるとかそんなことはなかったがずっと後ろめたい気持ちを背負ってここまでやってきた。


それは、去年の年末だ。

もともとあたりをつけていた自然薯のオーナー制度の連絡先に電話をしてみた。
まぁ、今思えばそばのオーナー制度を見つけたときに同時進行で話を進めておけばよかったのだが、いろいろ調べたところもう夏前の段階で根付けは終わっていて、途中参加するとしても収穫しかない。一応、収穫だけでも可能、とあった。

収穫は秋から冬にかけてで、その紹介文には「自然薯は秋のモノと思われがちですが、2月くらいのものもアクが抜けてとても美味しいんですよ」とあったので、せっかくならその時期のものがいいじゃないかと、連絡をとるのも先延ばしにしていた。
そばのオーナー制度が途中参加でもとても快く応じてくれたことで、私もすっかりゆるんでいたというのもある。

そんなこんなで、そばの収穫も落ち着き、そろそろ自然薯にも取りかかりますか、とやっと動きだした私は非情な現実に打ちのめされた。

TRRRR...TRRRR...カチャ

担当者「はい、もしもし」

小川「あ、すいません、ちょっとお聞きしたいんですが、インターネットで自然薯のオーナー制度を見まして」

担当者「ああ、はい」

小川「あれってまだ参加できますか?」

担当者「あー、あれねぇ、自然に出来たやつはね、もうみんな収穫しちゃった。終わっちゃったね」

小川「エッ?!!」

担当者「今年は結構テレビでも取り上げてくれてねぇ、やりたいって人多かったんだよ。畑で自然に出来てて、掘るのに時間かかるやつはもう無い。パイプ使って育ててるやつはまだ若干あるけど」

小川「パイプ・・・」

担当者「うん、パイプん中通して育てるやつね。それは掘るの簡単。5分かー、10分くらいだね」

小川「5分・・・」

担当者「でもそれももう少ないからなー、一応畑の持ち主さんにかけあってはみるけど、難しいと思いますよ」

小川「はい、わかりました・・・じゃあまたご連絡します」



電話終了。
・・・私の企画も終了?

というわけで

さすがに企画を終わらせてはいけないが、これがこのあいだの年末に起こった出来事である。
要は、自然薯のオーナー制度の計画が、音を立てて崩れたということだ。

パイプ栽培の自然薯を掘りに行けばよかったのかもしれない。
しかし、さすがに準備万端整えて収穫が5分で終了というのはあまりに寂しいのではないか。

もしかしたら、まだやってますよーというところが他にもあるんじゃないか、という考えが頭をよぎった。

そして調べることしばらく。再び壁にぶつかった。

関東近県でオーナー制度として行なっているところがほとんどないのだ。
オーナー制度として行なっているのは新潟や福島など、東京から日帰りで行くにはちょっと距離がありすぎるところばかり。

そうこうして、たらたらと調べているうちにパイプ栽培の収穫時期もすっかり逃してしまった。

すべてが後手後手に回った、あまりに分かりやすい失敗である。
挙げ句、唯一自信のあったそば打ちでも玉砕。

その現実逃避がガレットであり、高尾山そばツアーであったわけだ。


はい。皆様、大変申し訳ありませんでした。
もっとちゃんと春から計画を立てて、ちゃんと取り組めばオーナー制度は十分楽しめる制度です。
その場しのぎで渡り歩こうとすると、こういう痛い目に遭います。

リカバーしましょう

しかし!だからといってこれで企画を終わらせるわけにはいかないのだ。
ちゃんと自然薯を使ってのとろろそばを作りたい。ここまできたら私も食べたい。

でもどこで手に入れよう?

一箇所、私には心当たりがあった。そして、もしかしたらそこで収穫への夢も叶うかもしれない場所。とにかくそこへ車を走らせたのである。

つづく


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