消防出初め式でロープ渡過に唖然 [あらゆる祭りを楽しもう!]

   

出初め式、ご存じですか?1月に行われる、消防職員や消防団員による、その年初めの訓練のこと。これは大体市町村単位で公開で行われる。

慣例となったのは、1953年。遡ること凡そ300年前の1656年上野東照宮前で行ったものに由来していると言われるかなり歴史の古いものなのだ。

なるほど・・・・・では見に行ってみよう。

text by 和田 朗

高層階へのはしご車での救助がたんたんと進められる中、低層階での救助も始まった。こちらは、斜めに張ったロープを身一つで救急隊員が渡っていき、ビルに移って救助を行うというもの、まさに救急隊員の日頃の肉体訓練の賜(たまもの)である。

このロープをつたって行く渡り方、写真などでは見たことがあったのだが実際に生で見るとこちらも驚くほど早くて的確である。

まず最初のロープ渡過は、「セーラー渡過」。


片足をロープに巻き付けるようにして進む

片足をロープに巻き付けるようにして体を安定させ、逆の脚は下に降ろしている。恐らくこの重力に逆らわずに降ろした方の脚でバランスを取っているのだろう。ロープを巻き付けた足をけり出すのと、腕の力でぐっぐっという感じで力強く、前へ進む。全身のバランスと筋力がなければとても出来るものじゃない。


早い。

今度は「モンキー渡過」と呼ばれる方法でロープを伝っていく。


アンバランスな体勢ながらまさかの安定感

早い早い。まさに猿だ。
どちらが高度なロープ渡過なのか私には知る由もないが、どんなにピンと張られたと言っても、不安定なロープである。揺れもすれば、たわみもする。そのロープを体一つでひょいひょいと渡っていってしまうのだ。常々「継続は力なり」と思っていたが、いやいやすごいな。一朝一夕のことではないのだ、このバランス感は。

と言っている間に高層階でははしご車に救助された人も乗り込み、無事に救出終了である。


紺色のつなぎは救助される役の方

低層階は、救助隊員も到達しおえ、今度は取り残された人々の救助である。まずは担架に乗せた人の救助だ。


オレンジの繭型が担架

担架をロープにかけ、こちらは一般人なので比較的ゆっくりとロープをつたって降りていく。下方に控えている隊員達は、担架が降りてくると速やかに担架から救助された人(この場では人形)を救急車に運ぶ。

低層階で次に行われているのは、比較的負傷の少ない人の救助であろうか。隊員が抱えるようにして垂直ロープを降りていくのだ。
脚に救助する人の体を挟み込むようにしている。救助する人の両手で自分の足を挟ませ、するすると降りていく。すごい体勢だ。


見えにくいけれど、オレンジ服の隊員と、紺色服の救助人

最後に、全ての隊員がとビルから降りて終了となるわけだが、とにかく早い。降りている瞬間を撮りたかったのだが、一瞬のシャッターチャンスを逃しただけで次々と隊員は降りきってしまって、あわあわしているうちに数名居た隊員全てが降りきってしまった。


十数メートルの高さからロープ一本で!

思わずため息である。
あっという間の救出劇というやつだ。

訓練だから実際よりは落ち着いているだろうし、不測の事態も少ないとはいえ、足場の悪い高い所で行われていることとは思えないほど安心してみていられるのは、やはり日々の訓練からくる自信だろうか。
褒めている意味で書くのだが、スリル感というものは今思えば不思議なほど感じられなかった。
むしろ、事務的なほどにことがてきぱきと進んでいくのだ。圧倒的な安定感。


最後に皆さん集まって敬礼(敬礼の瞬間、とりそびれました)

気が付けばぽかーーんと口を開けて見ていた。私の会社のほんの1ブロックほどの所に消防署があり、よく消防隊員の方がえっほえっほと町をマラソンして体を鍛えているのだが、こういう事態にいつ何時でも対応しようと思ったら当然の行動なのだよなあ。
すごいぞ、出初め式。

更にこれから放水訓練だという。見所いっぱいではないか。


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