大津港で海のボート釣りをしよう その1 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊

海のボート釣りへいこう

なんだかこの連載を開始してから、釣れるときと釣れないときがハッキリとしてきた気がする。別に釣った魚で生計を立てている訳ではないので、釣れても釣れなくてもいいといえばいいのだけれど、やっぱり釣れた方が釣りは楽しい。今まで釣れたのはボートでのワカサギ、ハゼ。釣れなかったのはそれ以外全部。陸っぱりや大きい船が全滅である。

なるほど、統計によると最近の私はボート釣りとの相性がいいらしいようである。そうとわかったらボーっとしている場合ではない(ボートだけに)。天気のいい日を見計らってボート釣りにいくしかねぇなあということで、神奈川県は京急大津駅から歩いていける大津港からのボート釣りにいくことにした。冬の大海原での手漕ぎボートである。今回の釣りは急に決めたのでゲストなしの一人旅だ。


始発電車でゴー。

大津港到着

葛飾区にある自宅から始発電車に乗り込んで、電車を乗り継ぎ京急大津駅へ到着。京急の電車はいつみても予想より赤い。改札を出て潮風の匂いがする方に向かって10分もあるけば目的地の大津港に到着する。早歩きで8分、走れば5分で到着だ。でも僕は途中でコンビニ寄ったから20分かかった。

この港にボート屋は何件かあるのだけれど、今回は石田ボートさんをチョイス。今回は、というか、大津港では毎回石田ボートさんなんだけど。床屋でもボート屋でも最初にいったところにずーっと行き続けるタイプなのだ。


京急大津駅到着。

石田丸さんにお世話になります。


石田ボートでボート代を支払い、あわせてエサのオキアミにコマセ、オススメの仕掛けも購入。ついでに今釣れているポイントもバッチリと聞いてきた。さあ、これで準備はバッチリ。手漕ぎボートだけど大船に乗ったつもりでドーンと大海原にいってみよう。

どんなボートで海に出るのか


THE 手漕ぎボート。

なんのひねりもない、もの凄い普通の手漕ぎボートである。江戸川の河口でハゼを釣ったり、公園の池でカップルがイチャついたりするボートと一緒。一応他の船から見つけやすいように赤い旗がついているが、それ以外は全くのノーマル。これで海に出るのだよ。

そのため、ボート釣りは波や風のある日は出船できないし、まったくボートを漕いだことのない人にはオススメできないハードコア系の釣りなのだ。私もいつもはボートを漕ぐ腕に自信のある友人を「エンジン」として連れてきて二人乗りで海へ出るのだが、今回は私一人の船旅。自慢じゃないが腕に自信がないので多少不安な船出である。

さあ、海に出よう

ボート屋のお姉さんに出船を手伝ってもらってすっかりと太陽が昇ってしまった海へと出る。今日の天気は全くの無風にベタ凪。これだったら私の腕力でもボートは進む。教えてもらったポイントはここから1キロ弱くらいいったところで、体力的にギリギリ許容範囲といったところだろうか。


さようなら、陸。

ヨタヨタと進んでいきます。


大きな船が通る航路をダッシュで抜けたら、そのまま教えてもらったポイントを目指して一直線に進んでいくはずなのだが、手漕ぎボートっていうのは背中を前にして進んでいく乗り物なので前が見えない。そのためあっちにフラフラ、こっちにフラフラと進行方向がぜんぜん定まらず、一直線どころかサインカーブを描きながら進むマイボート。今まで人生の中で20回以上ボート釣りをしているのに一向に漕ぐのがうまくならない自分に感動すら覚える。


真っ直ぐ進んだためしがない。

ボート釣りにおけるポイントへの移動は問題がもう一つある。これはボートで海に出てもらえば実感するのだが、海の上っていうのは距離感がまったく掴めないのだ。ボート屋さんで見た地図上のポイントは頭の中に入っているのだが、それがこの広い海のどこなのかがわからない。一応目印となる建物とかもあるのだが、「そこを正面に沖へ150メートル」とかいわれてもこれがチンプンカンプン。陸上の建築物を目印にしてポイントを見つける「山だて」という方法もあるのだが、知識としては知っているが成功した試しがない。

まさに気が付けば「ここはどこ?わたしはだれ?カルビはたれ?しお?」状態になるのである。


ここがどこなのかがわからないんだわ。

それでも港を出て30分程で教わったポイントらしきところにどうにか到着。なぜここがそのポイントなのかわかったかというと、すでに先客のボートがこの辺に固まっていたからだ。相模湖のワカサギポイントと同じ理屈で攻めてみました。

アンカーを沈める

ポイントをここと決めたらアンカーを落として船を固定する。これをしないとボートは海流に流されてどこまでもいってしまう。ちなみに以前、別のボート屋にいったとき、アンカーを落としたのだがそのロープがボートに繋がれておらず、気が付いたら陸が見えないところまでボートが流されていて泣きそうになったことがある。携帯でボート屋に連絡とったのだが、「いまどこ?」と聞かれても、「海の上!」としか答えようがなかった。

そんな訳でとても大事なアンカー。この形は地域によって様々なのだが、ここ大津のアンカーはすごいよ。大津は流れが速い場所なので、コロコロコミックを4冊分くらいのボリュームがあるコンクリートの塊なのだ。沖縄の豆腐みたいでもあるがそれよりも堅い。


腰を痛めがちなアンカー。

でも実はこれが見た目よりも全然軽い!訳がない。見た目通りのスーパーヘビー級で、しかもここは水深も30メートルとか余裕であるので、降ろしたアンカーを上げるのは一苦労。一度ポイントを決めたらもうポイントを移動する気がなくなる代物なのだ。トイレ(大)にいきたくなったらもう最悪である。

仕掛けをセッティングしよう

オールを船に上げて、「ここで魚が釣れますように、ポイント移動をしなくてすみますように」と祈りを込めて、ドボーンとコンクリートアンカーを海に沈める。

今日狙う魚はアジで、仕掛けはビラビラしたハリが6本付いたサビキというものをボート屋で買ってきた。狙いはアジなのだがサバが混ざるということで、ハリスは5号と通常のアジ釣りに比べて極太仕様である。竿のガイドを通した釣り糸の先にコマセを入れるカゴをつけて、そこにサビキを繋ぎ、一番先に30号のオモリをつけたら準備完了。サビキのハリ自体にはエサをつけない。ビラビラがエサの役目をしてくれるのだ。


「ラメ入り」という言葉に引かれて購入。

コマセはアミエビ。これに魚が寄ってくるのだ。


今日はサビキの他にもう一種類の仕掛けを用意してきた。片天秤にオモリをぶら下げ、その先にクッションゴムを挟んでハリス2号の二本針仕掛けを繋ぐ。エサはオキアミ。魚の食いがよければサビキ有利、食い気がなければエサ釣りが有利かな。


シンプルな天秤仕掛け。

オキアミ。スーパーハードだぜ。


ちなみに竿はサビキ用に阪神竿、エサ釣り用に安物の胴調子でガイドが二つぶっ壊れているやつ。海のボートでも阪神竿でいけるかなあと思ったんだけれど、この竿はリール部分から下が短くて手の平だけで持つことになるので、重めのオモリだとちょっと無理があったみたい。ちなみに阪神竿につけた赤いリールは自分へのクリスマスプレゼントに買ったもので、シャア専用っぽくてカッコイイから量産型の3倍釣れるはずだ。


竿と仕掛けとリールのバランスが悪くて、もの凄く重い。

こっちの竿は竿掛けに置いておく。


仕掛けを海底まで落として、1メートルほど底を切る。軽く竿を煽ってコマセを出していると、さっそく強いアタリがあって竿先がグッと絞られた。


いきなりきたよ。

うっかり竿を落としそうになるのを堪えてリールを巻く。さあさあさあ、何が釣れたでしょーか(桂三枝風に)。

つづく


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rouxchan

つづきがとっても気になりますー!!
by rouxchan (2008-01-17 00:31) 

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