相模湖でワカサギ釣り その3 [季節を遊ぼう!ゆる釣り部]

みなさん、釣りは好きですか? 釣りっていうと、いろいろな道具を揃えたり、仕掛け作りが難しかったりと、ちょっと面倒臭い遊びだと思われるかもしれない。実は私もそう思う。一匹でも多く釣るための張りつめた緊張感とかも大の苦手だ。
でも釣りっていうのは、それこそ魚の種類以上に釣り方があり、その中には気を張らないでできる“ゆるい釣り”もたくさんあるのだ。このコラムでは、そんな季節ごとのゆるい釣りとその周辺模様を紹介していきたいと思う。

text by 玉置 豊

エレキを運転してみよう

今日の夕飯分に十分なワカサギを無事確保したところで釣りを切り上げ、道具類をいったん車にしまい込んだ。さあこれからボートの運転レッスンだ。ちなみに私は船舶免許は今年とったのだが運転はほとんどしていないペーパー船長である。ペーパー警部ではない。


高校生とバス釣りについて熱く語る坂さん。

今日のボートにはエレキとガソリンエンジンの二種類の動力があるのだが、まずは速度の遅いエレキからチャレンジだ。ちなみにエレキというのは通称で、正式にはエレクトリックモーターとかトローリングモーターとかいうらしいよ。


急にうずくまった坂さん。

何かとおもったら虫の写真を撮っていた。


ここのエレキは移動をしながらブラックバスを釣るための動力。そのため釣りをしながら移動ができるように、両手共に使わないで操船をすることができるようになっているらしい。手を使わずに船の運転なんて超能力とかないととても無理な気もするが、アクセルペダルみたいなやつの操作だけ、なんと右足一本で簡単にできるという。さすがエレキというだけになんだかエレキギターとアンプをつないでみたくなる造形だ。きっといいエフェクターになると思う。


これ一つで運転できるのだ。

まずアクセスペダルの横にある12Vと24Vの切り替えスイッチで大まかな速度設定。24Vのほうが早く進む。さらにペダル正面の右にあるロータリースイッチで細かい速度設定。


こうやって踏むだけで右へ左へ。

よくできた機械です。


そしてこれに脚を乗っけて右側の赤いボタンを押すとプロペラ(通はペラという)が回り出す。そしてつま先側に力を入れて踏むと左へ進み、かかと側を踏むと右に曲がるのだ。今どっちに進んでいるのかは、エレキの先っぽに付いている方位磁石みたいなやつが示してくれる。へーへーへー。


丸い方位磁石みたいなのが進行方向を示す。

すごいよエレキ。いままで手漕ぎでばっかりワカサギ釣りをしていた私には文明開化の音がする機械である。

エレキチャレンジ

へーへーへーと感心しながら一通りの説明を聞いたところでレッツ初めてのエレキ。あ、初めてのエレキって、なんだか平賀源内や寺内タケシみたいでカッコイイな。

両手でバランスをとりながら左足で立って、ドキドキしながら右足をペダルに乗っける。


そーっと、そーっと。

ハラハラドキドキ。


足を乗っけた途端にボートが左に急旋回して転びそうになる。しまった、つま先側に体重をかけすぎた。これはいかんとかかと側に体重をかけたら今度は右へ急旋回。ちっとも前に進まない。

「足で体を方向転換」は毎日やっている動作なのだが、「足でボートを方向転換」になると途端に人生初なので、感覚がまったく掴めない。あわあわ。


バランスがとれない。

片足立ちでの運転、これはなかなか難しいのだが、やっぱり自分で船を運転するというのは楽しいものである。「よ!、た!、は!」と両手をいっぱいにバランスをとりながらどうにかこうにか運転していると、坂さんからとんでもない発言が。

「普通は椅子に座りながら運転するからねー、あははー。」

そういえば釣りの最中、坂さんはエレキの運転時は椅子に座っていたな。あれは腰が痛いからとかじゃなくて運転がしやすいからなのか。じゃあ私は今やっていることは、自転車に初めて乗る人が立ちこぎから覚えようとしているようなものか。そういうことは先にいっていただけると助かります。

ガソリンエンジンを運転してみよう

エレキを存分に楽しんだ後はボートの後ろに積んであるエンジンを触ってみよう。エレキが右足一本での操作に対して、このエンジンは右手一本での操作である。


運転は手前のハンドルだけで可能。

このタイプはエンジンと舵がひとつになっているので、エンジンそのものの向きを変えることでボートの進行方向を変える直感的な操作感だ。アクセルはバイクのようにハンドルレバーを絞ればいい。

これならきっと大丈夫とハンドルを握ったのだが、変に力が入ってしまい、いきなりフルスロットルでボートがすごい勢いで左回転。これは10馬力のエンジンだから、馬10頭が暴れ出したような勢いである。エンジンって怖い。よかった、広い場所で練習をしていて。


エンジンを使う場合は、エレキは船の上に上げます。

むずかしー。


しばらく安全なところで運転をして、どうにか真っ直ぐ進めるようになったのだけれど、ハンドルレバーをどっちに向ければどっちに曲がるのかがよくわからなくなる時がある。こう書いている今も、どっちがどっちだかよくわからなかったりする。あれー。まあ実際に動かせばすぐ思い出すんだろうけれど。

ボートの運転はとても楽しいんだけれど、しばらくは水上の安全を守るため、今日のような保護者同伴の時以外は運転を控えようと思います。

練習終了

ボートの練習を終えて桟橋にヨタヨタと着岸。ボートをロープで固定しようとしたときに「もやい結び」という実技試験でも出題された船乗りの基本中の基本となる結び方をすっかりと忘れていて坂さんに大笑いされた。

どうやら運転技術以前の問題として、一人で船に乗るためにはいろいろと復習しておかなくてはならない問題が山積みのようだ。


もやい結び…どうやるんだっけ。

指が覚えているかと思ったら、覚えていない。


そんな私を置いて、坂さんはまた高校生とブラックバス談義をしていた。本当は今日ブラックバスを釣りたかったのではないだろうか。

ワカサギを食べよう

坂さんと別れて帰宅後、釣ったワカサギをさっそく料理することにした。ワカサギといえばやっぱり天麩羅。今日はちっこいのが多かったのでピーマンと合わせてかき揚げにしてみた。なぜピーマンにしたのかというと、冷蔵庫にピーマンがあったからだ。新鮮なワカサギは予想以上に甘みが強いので、三つ葉や春菊みたいにちょっと苦みのある野菜を合わせるのがオススメ。揚げたてのかき揚げ、ワカサギがフワッとしていて本当に美味しいよ。

でもいくら美味しいといっても天麩羅ばっかり食べているとさすがに飽きる。そんなときはできるだけ大きめのワカサギを集めて卓上七輪で炭火焼きがいい。繊細なシシャモみたいな味でなかなか好みの味。ダラダラと焼酎を飲むには最高のツマミだね。


ワカサギのかき揚げ。

シシャモ…じゃなくてワカサギの炭火焼き。


この日は遊びに来た友人と二人で食べたのだけれど、さすがに全部は一日で食べきれなかったので、残った分は全部揚げて南蛮漬けにしてみた。漬けダレは出し汁、醤油、米酢を同量入れて鷹の爪を加えたもの。ワカサギはもちろん、一緒に漬け込んだタマネギがまた美味しい。もうお腹はいっぱいだったはずなのだが、「冷蔵庫で一日冷やした南蛮漬けがおいしいんだけれど、できたてのまだ温かい南蛮漬けを酢にむせながら食べるのもうまいんだよね」とかいいながら結構食べてしまった。


ワカサギの南蛮漬け。

ビールのツマミに最高。


久しぶりに食べるワカサギ、やっぱり美味しい。ハゼと違って塩で軽くもみ洗いして水で流すだけで下処理が済むのも素晴らしい。これならいくら釣っても料理が苦じゃないもの。ワカサギ、素敵すぎる。

楽しかったので今シーズン中にもう一回くらいいこうかな。


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