簡単でおいしい白菜鍋、ピェンロー [親から届いた野菜です]

     
両親は定年後、山に住んで二人で畑を耕す生活を送っています。
そして東京に住んでいる娘の私や親せきに、野菜や米の詰まったダンボールを送ってきます。その野菜などの品々をお伝えするこのコラム。今回はある本で紹介されていた鍋が簡単でおいしく、我が家定番となっていますので紹介します。

text by 堀江優子

鍋の季節。気取らない、簡単でおいしい白菜の鍋。

白菜が両親より送られてきました!白菜と言えば我が家で定番の鍋があります。
以前、友達の家で出されて、そのおいしさのとりこになってしまったこの鍋。詳しく聞くとその鍋の名はピェンロー、と言い、妹尾河童さんの本「河童のスケッチブック」(文春文庫)に書かれてあったものだそう。
妹尾河童さんといえばデザイナーや小説家として有名な方ですね。
私も何冊か著書を持っていたのですが、早速その本を入手しました。
河童さんによると
『この「扁炉(ピェンロー)」なる鍋料理は中国料理ではあるが、レストランのメニューには載っていない。ぽくに教えてくれたのは、中国大陸に永く住んでいた人で、これは広西省の田舎料理だといっていた。
「扁」とは「ささやかな」とか「素朴な」という意味だそうだ。文字どおり中国の“素朴な白菜鍋”だ。味つけは“粗塩”“胡麻油”“一味唐辛子”だけなのだが、「ピェンロー」と聞いただけで常連が群がってくる絶妙の味になる。』
ということで、うちでも作ってみました。すると、それはそれは簡単でおいしい鍋ができたので、我が家でも毎年作るようになったという、定番の鍋です。

  
白菜は冬の鍋に欠かせませんね。

  
ピェンローの材料。本ではこれに鶏肉がつきます。

材料(2-3人前):
白菜 :4分の1株
干し椎茸 :20-30g
豚肉(バラ肉の薄切り) :200-300g
春雨 :適量
胡麻油 :適量
調味用の粗塩 :少々
一味唐辛子 :少々

下準備

  1. 白菜を5センチにザク切りし、根っこに近い芯の白い部分と青い葉の部分を分けておきます。
  2. 干し椎茸は水に浸してもどしておきます。もどした水はダシが出ているから捨てないでください。その水を使います。
  3. 春雨は「緑豆春雨」がいいそう。手に入らなければ、ビーフンで我慢してもいいみたいです。
    これも水に入れてもどしておきます。
  4. 豚のバラ肉の薄切りを食べやすい大きさに切る。ロース肉でないほうがいいそう。
    本によると鶏肉も入れます。鶏肉はモモ肉を一口大に切ります。

椎茸を戻すときに時間がもったいないという方、早く戻す方法をご存じでしょうか?
ここで登場、電子レンジです!水に入れて電子レンジに入れて3-4分で戻せます。
椎茸の風味を大事にしたい方にはあまりおすすめできませんが、より手早く料理をしたい勤め人の方などにはおすすめの方法です。


干ししいたけを水に入れてもどす。

早くもどしたい方は、レンジに入れて3-4分。


さて、肝心のピェンローですが、大きい鍋に白菜の白い部分を入れて水を注ぎます。
本では白菜のみで水を注ぎますが、私はこの段階でお肉も一緒に入れてしまいます。私は割とおおざっぱな性格なんです。でもこの鍋はおおざっぱで大丈夫なんです。そう言う人の為の鍋なんです。
ただ、ここで椎茸をもどした水も忘れずに投入するのです。おおざっぱな人でもこれだけは忘れてはいけません。

 
白菜の芯の部分と肉を投入し、水と椎茸のもどし汁をいれます。

しばらく煮て沸騰してきたら、椎茸を投入します。そして胡麻油を大さじ2杯ほど回し入れます。


椎茸をそのまま入れて、後で後悔しました。切った方がいいです。

ごま油を回し入れてしばらく煮ます。


しばらく煮て、途中で取り分けて残しておいた、白菜の青い葉っぱの部分をいれます。時差をつけて入れると、先に煮ておいた白い部分と同じ柔らかさになると言う寸法です。


白菜の青い葉っぱの部分を入れましょう。

くたくたになるまで煮ます。


ここで大事なのは白菜がくたくたになるまで煮ると言うことです。
時々アクを取ってあげるといいと思います。


食べる直前にごま油を再度、回し入れます。

春雨を投入してしばらく煮れば出来上がり!


食べる直前にごま油を回し入れ、春雨を投入して出来上がりです。
「味付け、してないんじゃ!?」と言う声が聞こえてきますが、これでいいんです!食べ方があるんです。

食べ方が大切ですよ

いよいよ食べるわけですが、ここで塩と一味唐辛子を用意します。
(私はこの日、口内炎が出来ていて、しみてしまうので一味唐辛子は入れませんでした。)
塩は粗塩がいいですが、手に入らない場合は精製塩でも大丈夫。私も粗塩を切らしていたので精製塩で頂きましたがおいしさは損なわれません。

適当な小皿に塩と一味唐辛子を入れ、鍋の汁をすくって溶かします。
それをつけ汁にして食べます。少し塩加減は濃いめがいいです。

 
塩と一味唐辛子を鍋の汁で溶かします。


塩と汁を混ぜたつけ汁につけて食う。うまいよピェンロー。

追加でごま油を投入してもうまい。



無心に具をとり続けてしまいます。

うまい。また作ろう。


河童さんいわく、
『残りスープで作った粥は、満腹の人もパスできないほどの味で絶品である。熱い粥を食べるとき、冷たいベッタラ漬けで舌を冷ましながら食べると、さらにウマイ。』
『蛇足的にいえば、間違ってもネギや人参、春菊などを加えないこと。これはみんな何度かの経験で失敗ずみ。野菜は白菜だけにしてほしい。とにかくこの鍋は、白菜と塩と胡麻油の美味しさを再確認することに尽きる料理だと思う』
とのこと。書かれている教えを忠実に守って他の野菜は入れないようにしています。

とにかく簡単でおいしいので皆さんも是非作ってみてください!私もまた友達と集まって食べよ~っと。


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