私がそばを選んだ理由 [とろろそばが出来るまで]

     

都会っ子でも気軽に農業とふれあえる素敵なシステム「オーナー制度」。私が迷うことなく育てる作物に「蕎麦」を選んだのには理由があるんです。無事そばの花のお花見が終わり、次は収穫。でもその前に、高く掲げる目標についてご紹介します。

text by 小川 恭

・・・とはいっても毎回↑に出ているタイトルに「とろろそばが出来るまで」って書いちゃってますから、もう大体予想はついてるかと思うのですが。


じゃーん

そう、目指すものはコレである。
これからそばを収穫し、脱穀し、粉にして、そば打ちの極意を教えていただいて、自分の力でとろろそばを作りたい。

私は料理をちょこちょこ程度にはする人間だが、粉ものはほとんど手を出したことがない。

寝かせたりとかすごく時間がかかるし(やったことないからイメージ)
こねたりするのに力もコツも必要だし(あくまでイメージ)
基本的に不器用な私には向いていない(ここだけは真実)。

しかし、蕎麦の里でそば打ちを教えてくれるのは、甘楽町地元のそば打ち名人だという。

そば打ちの本と首っ引きで格闘するのとはわけが違う。まして某国営放送の「趣○悠々」を見ながら、というのよりもさらに一歩進んで、実際に手取り足取りご教授いただけるのだ。それなら私にだって出来るかもしれない。

ほーら、楽しそうでしょう。(そう思ってるのは自分だけ、というのはさておき)


わくわく

にしても、何故とろろそば?とお思いだろう。
山菜そばでも、月見そばでも、にしんそばでも、カレー南蛮でもなんでもいいはずだ。
確かに。それはごもっともである。

じゃあ何故?

・・・じつはとろろにも、オーナー制度が存在するのだ。

とろろいものオーナー制度

「オーナー制度」でネット検索にかけると、オーナー制度の総合紹介サイト(Let's Enjoy Owner)というページが見つかる。

以前にも書いたが、ここを見るとほんとに多種多様にわたるオーナー制度が紹介されていて、「ワインのオーナー!」「真珠もある!」「山小屋も持てるのっ?!」と妄想は広がり、すごく楽しい。

そんな中、いぶし銀の魅力を放つ、「自然薯」の文字。

自然薯(じねんじょ)とは、「天然種の野生ヤマイモ」のことをいい、同じヤマイモでも長芋や大和芋とは区別される。成長するとその長さは1メートル以上に達することもあり、掘り出すだけでもひと苦労だが、その味はスーパーで買える山芋の類に比べ、とても濃く、滋味溢れるものだという。

15センチくらいに切られて、真空パックになった長芋しか見たことがない私からすれば、その大きさも味覚もまったくの未知の世界だ。


見慣れてるのはこんなやつ

もともとは山深くに分け入らなければ収穫できないものであったが、今は畑での栽培も可能になり、今回見つけたようなオーナー制度も行なっているらしい。

カチッ。

「オーナー制度」というキーワードで、パズルのピースがぴったりとかみ合った。

もうおわかりだろう、私はオーナー制度の作物だけで、とろろそばを作りたい。


…言ってからちょっと後悔

そばの実をこの手で収穫し、そばを打ち、味わいたい。
自然薯だって、掘り起こすところから自分の手で行なえば、その味はずっとずっと増してくるだろう。

最初の、「休みの日に農作業のおいしいとこだけ味わいたい」というところから、ずいぶん遠くに来てしまったような気もするが、せっかくやるなら面白そうなことは片っ端からやった方がいいじゃないか。

やっていくうちに色々壁にぶつかりそうな予感がうんとしているんだが、まぁそれはそのつど考えるということで。

そしてさっそくの壁がきた

楽観的に「名人が教えてくれるなら私にだってできるわよ」とたかをくくっていたのだが、調べてみるとそば打ちというのは相当難しいらしいのだ。相当数そば打ちをこなしている人でも、失敗してしまうことはままあるらしい。


そんなにおどかさないでください

いくら名人が教えてくれるといっても、そば粉を2キロももらえるといっても、失敗に次ぐ失敗であっという間に材料がなくなるなんてことが起こらないだろうか。

元来の心配性の私が首をもたげてきた。

ところがである。
そんな迷える子羊状態の私に、

「知り合いに麺づくりのプロがいるから、紹介しましょうか?」

と声をかけてくださった人がいたのだ。

なんと!麺づくりのプロですと!
しっぽを振ってその話に飛びついたのはいうまでもない。

そばは立派な麺類だ。その麺づくりのプロというのだから、きっと役立つに違いない。

次回、そのプロ様にお会いする様子をリポートします。


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